間違いではないが正しくない

ありがたいことに昨日とは別の会社から引き合いがあった。
電話で担当者が申し訳なさそうに
「文字が小さいので文字数を数えるとちょっと多めに…..」
別に文字数は(引き合い時点で)気にしない、と答えると
「……じゃPDFでお送りします」とのことで商談成立。
いざそのPDFを開いてみると、元原稿は雑誌記事らしかった。
割とよく見る段組なので、特に細かいという感じはない。
どうして彼女は字の小ささを気にしていたのだろう、という程度だ。
問題は字の小ささではなく潰れっぷりであった。
見るからにFAXで潰れた漢字たちがのたうちまわっている。
また翻訳よりも原文解読に手間隙のかかるパターンだ。
黒すぎたり白すぎたりする字ばかりで先が思いやられる。
が。「ChinaScan2」は思っていたより優秀だった。
肉眼では何だか分からない塊ですら、字になり文になるのだ。
前後の文字が読めれば「困ったちゃん」もなんとか判る。
識字率90%という謳い文句は誇大表現ではなかったらしい。
結局それでも読めなかった3箇所は、注をつけて担当者にお願いした。
3箇所で済んだだけいい、と心から思った次第。

仕事始め

そもそも、飛行機が離陸した時点でのんびりしている。
ややお恥ずかしいながら、新年で初の受注。
翻訳稼業は小正月を過ぎてやっと始動にこぎつけた。
短い手紙文で納期は明朝。
肩慣らしのような気もするが、手紙文は侮れない。
日本語(のネイティブ)には通常ない表現が結構あるのだ。
英訳はできるけど和訳はちょっと、という文が複数ある。
なくても意味は通じるのだが、訳抜けと思われるのも問題になる。
直訳だったら学生でもできるのだから、ここが頭の使いどころか。

味なお年玉

たまに行く店で食材の買いだめをしたら、くじをもらった。
当たりが出たら商店街主催の現金つかみ取りに参加できるという。
開けてみると「アタリ」の文字。幸先がいい。
早速その足で商店街の催事場へ。
つかみ取り会場には抽選機(いわゆるガラガラ)の音が響いていた。
受付の人にくじを渡し、聞かれるままに利用店名を答える。
券が1枚なので挑戦できるのも1回である。
出た玉は「小吉」だった。
現金の満たされた箱は4つ。
大吉から末吉まであり、入っている硬貨の種類が違う。
「小吉」の箱には1円玉と5円玉だけが見えた。
つかみすぎて手が出せないと恥ずかしいので、
できるだけ5円玉が多くなるように選別しているつもりで一掴み。
係の人が差し出すつり銭トレイに置くと、番号札を渡された。
「あちらで換金をお待ちください」……換金?
トレイの行く先を目で追うと、現金計数機が控えていた。
待つこと十数秒、番号札と引き換えにレシートのようなものをもらう。
出口にいた人が「167円ですね」とその紙を回収した。
「ではこちらで。200円が入っておりますので」
もらったポチ袋には「お年玉」と商店街の名前があった。
流石に1円玉と5円玉をそのまま渡しはしないのか、と感心。
さらにキリのいい100円単位に切り上げたことにも感心。
現金つかみ取りの常なのかもしれないが、かなり気分がよかった。