翻訳: 2006年9月アーカイブ
翻訳をしていない人にはぴんと来ないかもしれないが、日本語訳と中国語訳は難易度が全く違う。
私は日本語訳ならプロだと公言できるが、中国語訳には自信がなかったりする。
日本語っていい加減すぎるのよ。
原文が何を意図して書かれたものかを訳文上に表現するのが翻訳業なのだが、
日本語はえてして「アレをナニする」「そのへんはごにょごにょ」が多く意図が読みにくい。
厳密に言うと読めるが書けない(苦笑)
某社のトライアル課題に中国語訳の設問もあったので久々にやってみたが。
いわゆるIT分野のせいもあり、日本語がカタカナだらけで日本語文になっていない。
さりとてカタカナを英語に直せばきれいな文になるかと言うとそうでもないのだ。
かなり何でもカタカナ+サ変動詞さえつければサマになると思ってるだろ、日本人。
それで文意を分かった気になってしまうのが一番の問題なのかもしれないが。
たった一頁で日本語訳三頁分より時間がかかった。
もし間違って中国語訳の引き合いが来ても受けないほうがよさそうだと悟った。
副業だった頃と同じ受注量では貧しくなってしまうと思い、久々に求人検索。
中国語翻訳者そのものの求人をキーワードに検索すると結果が知れている。
ほとんどが数年前に応募しまくったものと一致してしまうのだ。
そこで今回はアルクのページで中国語を扱っている翻訳会社を探してみた。
思っていたより増えている。
幸いなことに取り扱い言語の受注比率も載っているので、中国語の少ないところは除外。
ホームページに求人要項を出している会社のいくつかに履歴書を送ってみた。
全く同じではないが酷似した文書である。
送信控えの一覧を見ていて気まずくなったので、応募をひとまず中断。
募集に対する応募なのだから迷惑ではないはずだが、なんだかスパムっぽい。
とはいえ履歴は変えようがないし、用件は一緒だし......。
税務署に行ってみた。
個人事業主となったからには開業届を出して、青色申告もしたい。
ただ、前の職場から細々と「給与」をもらっているので些か不安だった。
税務署の案内やものの本をひっくり返してもいまいち分からない。
・年度の途中に副業→本業とする場合、開業日はいつか?
・給与所得があっても事業主になれるのか?青色申告はできるのか?
・屋号は必須か?
知っている人から見たらしょうもないことばかりだろうが、これが主な疑問。
恐る恐る担当部署らしきところへ行ってみると、普通の事務所だった。
相談カウンターらしきものはあるが無人。
「御用の方は担当に声をおかけください」と張り紙はあるが、担当って誰?
とりあえず「ごめんくださ~い」とその辺で言ってみる。
振り返った人に用件を聞かれたので、開業届のことだと言うと、席を勧められた。
訪問先は間違っていなかったらしい。
「個人事業の開廃業等届出書」「所得税の青色申告承認申請書」は家で印刷できたので
分からないところ以外は書き込んで持参していた。
なるほど、と言いながら係?の人も向かいに座って書類を眺める。
期待していたよりずっと丁寧で分かりやすい返事をくれた。
・開業日:本来は事業を始めた日だが、私のような場合は会社を辞めた翌日でよい。
・屋号:店舗などを構えていない場合は不要。書類も未記入でよい。
・青色申告:残念ながら間に合わなかった。開業日から2ヶ月以内の申請が必須で、
半月ほど遅かった。給与所得は多少ならあってもよいとのこと。
「不動産所得」「事業所得」「山林所得」のいずれかが十分条件。
去年(今年の確定申告)まで雑所得としていた翻訳業収入は、開業届により事業所得に変更。
・雑所得と事業所得の違い:雑所得は申告書Aを使えるが損益通算はできない。
むぅ。あと半月ばかり早ければ数万円お得だったのか。
今までしり込みしていたツケなので自業自得だとは思う。
更に惜しいことに、開業届の控えをもらわず帰ってきてしまった。
まさかその控えで中小機構の共済に入れると思っていなかったので、うっかり。
新年からちゃんとやることにしようっと。
懇意にしている翻訳会社から、「ご相談」とついた引き合いが来た。
事情があって依頼者に料金を請求しないので、報酬も安くなるがやってくれるかと。
提示金額は普段そこからもらっている報酬の半分ほどだった。
会社として料金を請求しない事情はそのメール本文にもあったがここでは伏せる。
原稿を一読して、しばし悩んだ。
個人から個人へのごく私的な、しかし深刻な内容の手紙だった。
手書きなのでやや読みにくいことを除けば難易度は低い。
算盤を弾く自分と、義憤にかられる自分と、両者の間で天秤を持っている自分がいる。
このまま引き受けるべきか、条件をこちらから提示するか、断るか。
結局、無料で引き受けることを申し出た。
私は幼少時より偽善が嫌いなので今回も迷ったが、
ここで報酬額を吊り上げられるほど私は商売人ではなかった。
訳文を送付してからも、善人面して恩を着せたかっただけではないかと自分が疑わしい。
後悔はしていないのだが充実感もない。
願わくば二度とこんな目には遭いたくない。
無論、値引きとかいう次元の問題ではなく。
真昼間に固定電話が鳴った。
出てみると、流暢な英語で先日の社名を名乗るではないか!
おどおどしてしまって返事が出ない。
何しろ私は英語が喋れないのだ。
耳にするのが英語であっても返事は中国語になってしまう。
喋れる外国語はほぼ中国語のみになってしまっている。
よく冗談で「I can speak only Chinese」と自己紹介するが、本当は本当だ。
声の主にこちらのびびりが伝染してしまったらしく、
英語と中国語がちゃんぽんになってきた。
傍から聞いていたらさぞかし面白かっただろうが、無論そんな余裕はなし。
とりあえず一原稿をメールしてくれるというところで話は終わった。
.....会話そのものが苦手なのに電話って更に怖いのね。
私の翻訳稼業は基本的に受け身である。
口を開けて仕事が降ってくるのを待っているようなものだ。
多少の危機感を覚えつつはあるものの、急募案件が出ていないときはそんなもの。
唯一しているのが翻訳会社への求人応募。売り込みとも言う。
中文和訳が専門なため日本の会社にしか自分では売り込まないが、
たまにTradosの登録情報を見てメールをくれる海外企業もある。
以前は急募案件のみ応え、「登録翻訳者募集」は無視してきた。
英語で対応するのは疲れるので最低限にしておきたいからだ。
しかもたいていは英文和訳の登録募集なので、採用されても嬉しくない。
#そんなこといつまで言っていられるか自信はないが。
今回もらったメールは登録翻訳者募集の旨なのだが、発信元が上海だった。
募集しているのも中文和訳とのことなので、初めて応募書類を作成することに。
それにしても自己紹介を英語で書くのは何かむずがゆい。
中国の会社だったら中国語で書かせてくれとも思う。
ありったけの経歴を並べては消して、体裁や書式を整えて、気がついたら3時間経過。
履歴書や経歴書の整理をしたことがあってすら3時間もかかっていた。
英語どうこうの問題ではなく、売込みが難しいということだと思う。
