翻訳: 2009年10月アーカイブ

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日外アソシエーツのメールマガジンを読んでいたら、「トライアルを課されると怒る翻訳者が多い」とあった。
経験者に対してテストとは失礼な、と怒るそうなのだが、私にはぴんと来ない。
つきあいのある(しかも心証が良くない)会社から「このぐらいタダでやってよ」と言われて怒るなら分かる。
でも、仕事をしたことがない相手からの試訳依頼だったら喜んで引き受けるのが普通ではないか?


自分はこれだけの仕事ができる、という証明をするのに最も手近な手段だと思うのだが。
訳文のサンプルを送るという方法もあるが、版権や機密保持に問題のない原文を探すのに一苦労する。
いっそ相手が指定する文を訳して送るだけでいいなら、本番の仕事なみかそれ以下の手間で済む。


メールマガジンにもあったが、何年か経験があるというだけで実力を証明するのはやや無理がある。
まして、経験年数など詐称可能なただの数字だ。
自分が詐称する・しているつもりはないが、見知らぬ誰かが詐称していないとは限らない。
そういう目で採用・依頼担当者がこちらを見ている可能性も否定できない。


そんな無用な心配をするぐらいなら、四の五の言わずあっさりやってのけたほうがお得だと思う。
ことに私は仕事の速さが取り柄なので、出題されたらすぐに回答する主義だ。
相手が納品の早さまで見ているかは分からないし、早い=雑、と捉えられてしまうかもしれない。
でもその時はその時。縁があるかないか、相性の問題だと流すことにしている。
翻訳者のつくりかたにも書いたが、結局のところ相手が気に入れば合格、というだけのことなので。

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月初に某取引先社長の談話で、流石に今般の不景気は翻訳業界にも来ていると聞いた。
なんでも、かつては聖域だった大企業各社の研究開発費が削られたあおりなのだとか。
......と言いつつその会社、半月規模の案件を2件目よこしたところなのだが。
まあゲーム翻訳は性格が違う、と言われても分からないでもない。
オンラインゲームは固定客がいる業界だということか。


一方、某海外取引先が「業績好調につき翻訳者紹介キャンペーンを実施」なるメールをよこした。
紹介した人材が採用された場合、社員なら初任給の一割、登録翻訳者なら100P分の報酬だとか。
そこの社員は電話でもメールでも優秀そうな空気を滲ませる人物ばかりだが、なんとも羽振りのいい話だ。


かくして私個人にはあまり景気の影響が及んでいる実感がない。
受注量の変動は元からあるし、月単位で数えるほど大きな波があるわけでもない。
尤も、変動を抑えるべく随分あちこちに登録してはいるのだが。

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特定の会社や担当者個人を中傷する意図はないのだが。
「急ぎの案件」と電話してきた人が、1時間経っても連絡をよこさない。
体裁が対訳型になるか上書き型になるか、と聞いただけなのに答えがない。
「担当者に聞いてみます、どちらが手間にならないか」
で、彼女の手間と、相手の手間がかかり、私の時間が奪われていく。
時間いくらの仕事ではないだけに、受注が確定してから時間を潰されるのは痛い。
納期は明後日の朝。しわ寄せは全てこちらに来るのだ。


私が余計なことを質問してしまったのかもしれない。
こちらとて無駄な手間を掛けることに利はないので、善意のつもりだったのだが。
それにしても、翻訳会社が味方してくれなかったら翻訳者は本当に孤独だ。
自分で仕事が取れないばかりに、相手担当者に不満があっても呑み込んで付き合う他ない。
ま、世間一般の下請けなんてそんなものかもしれないが。

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