誰かが間違っているらしい

連休前に引き受けた翻訳の原稿には「速記原稿」とあった。
講演会の全発言を書き起こしたものらしい。
中国語は話し言葉と書き言葉がそれほど違わないのだが、今回はひどかった。
・句点から句点までの間が一文とは思えない長さ
・話が何度も重複する
・構文を素直に訳すと文意が逆になり、前後とつながらない
・固有名詞がどう見ても怪しい
発言者が言い間違えた(または音声としては普通に聞こえた)のか、速記がおかしかったのか。
私の理解が追いついていない可能性も残念ながら否定できない。
それにしても、日本人が講演した内容だったら元原稿を見た方が早いのではと思う。
「答案」が手元にある状態で私の訳文を見たら、お客さんはどう思うだろうか。
訳が間違っていると責めてくるだろうか。
思いがけず、文字しかないことのつらさを感じた。
せめて講演録の音声があれば、どこで話が切れているのか、どういう語調だったのか、判断材料が増えたものを。

いい子にしてたよ

博多土産を手に、ダンナの実家へこまを引き取りに行った。
いつもならリビング横の和室に置かれている「別荘」が、今回はサイドボードの上。
まるでこの家の飼い鳥のようにリビングになじんでいた。
そして、いつもならさんざん喚くところで意外にも鳴かない。
出して欲しそうに止まり木を行ったり来たりするだけで、本当にこまなのかというほどだった。
あまりひどいと遠慮して言ってくれないのかもしれないが、期間中いい子にしていたとのこと。
部屋中を飛び回るでもなく、騒ぎ立てるでもなく、平和に3泊4日を過ごしていたらしい。
移動の前に少しだけ出してやると、義父母のところへは行かず我々の手元で遊んでいた。
少しは家族としての認識があるらしい。

なんにもない一日

旅行の最終日なのだが、すっかり「外こもり」で観光らしいことはほとんどなし。
朝食後、チェックアウトぎりぎりまでホテルの部屋で過ごし、博多はうろつかず地下鉄へ。
昼食を天神の新天町で摂りがてら、少し散策した程度だった。
PCを背負ってごそごそ移動するのにも抵抗があったうえ、右足の小指に違和感。
心当たりはないのだが、誰かに踏まれたような痛さが治らない。
ダンナも疲れているようなので利害は一致していた。
早々に福岡空港へ移動し、ラウンジへまっしぐら。
ビジネスルームと称してPC環境の整った別室があるので、その一角に陣取る。
羽田や伊丹のラウンジにあるビジネス席より幅がゆったりしており、なかなか快適だった。
そんな環境に籠もって何をしていたかというと、翻訳仕事である。
28日に連休明け納期の仕事をもらっていたのだが、流石に昨日まではほとんど進めていなかった。
せっかくの旅先で籠もって進める必要があるほど大量ではないので開いていなかったのだ。
朝晩の暇にちょこちょこ作業してはいたものの、いつもより早く寝たり朝湯に浸かったりしていた。
それはそれで快適だったので何ら悔いはない。
動きたがらない自分のせいかとダンナが気にしていたが、そうではない。
ビジネスルームのような「仕事ぐらいしかすることがない」環境というのもたまには悪くないな、と思った次第。
かと言って通勤0分の生活も捨てがたいので事務所を借りようとまでは思い至らないのだが。
開発合宿のまねごとで無駄に外泊カンヅメ仕事でもしてみようかしらん。