人が多いということ

0泊2日で平泉中尊寺を拝観してきた。
当初は成田から仙台へ飛んで1泊するつもりで考えていた。
仙台空港から中尊寺への直行バスがあるのだ。
しかし成田発の便からの接続が悪く断念。
新幹線で一ノ関まで行って路線バス乗り換えが順当だろう。
とは言え朝の混む時間帯に都内へ行くのは避けたい。
拝観できる時間を見ると、朝8時半から夕方5時。
もしや夜行バスが使えるのではと考え直してみた。
仙台から一ノ関への始発は6時。
一ノ関には7時32分に着き、8時5分には中尊寺へのバスがある。

ということで6年ぶりに夜行バスを利用した。
東京のバスターミナルは混雑の極致で待合室にはついに立ち入れず。
夏休みでもないただの平日なのに、利用客があふれかえっていた。
予約したバスの到着まで50分ほど立ち尽くす。

翌朝5時半前の仙台は街がほぼ眠っていた。
通り沿いのコンビニは営業していても、駅構内では準備中。
そのへんの事情は調べてあったので朝食は持参したもので済ませた。

東北本線の下り始発は塩竃あたりまでがらがら、ほぼ通学用らしい。
車窓から見る松島の朝日も乙なものだった。

一ノ関でゆっくり時間調整のつもりが勘違いして大失敗。
何故か8時5分のバスを9分だと信じ込んでいたので見逃してしまった。
次のバスは55分。
電車で平泉に向かおうにも55分までない。
ふとタクシー料金を試算したところ夜でも4000円弱のようだ。
この時間を買う、と自分に言い聞かせてタクシーを拾うことにした。

平泉に入ると運転手さんが「あれ分かりますか」と声をかけてきた。
7-11なのだが、おなじみの配色になっていない。
セピアと言おうかイカスミ色と言おうか微妙な看板を掲げていた。
日産の販売店もトヨタL&Fの営業所も同じ色調。
「派手な色はダメなんですよ」
ファミリーマートは緑のみ生き残り「水色」部分まで緑だった。

中尊寺交差点で降車したのが8時半をわずかに過ぎた頃。
参拝客というよりハイカーのような出で立ちの人がちらほらいた。
上り坂なので早歩きともいかないが、ほどなく八幡堂。
弁慶堂から薬師堂から、徒歩1~2分間隔でお堂が建っている。
仏閣だけで街が出来ているように見えた。
それぞれの施設の説明書きを読み、手元では遊びつつ本堂へ。
スマートフォンをしまい帽子を取って拝観した。
おみくじは大吉。一人旅がよいとのこと。
金色堂を目指して月見坂に戻ると、売店が開き始めていた。
参拝客が少ないうちは結構のんびり開店準備をしているらしい。

無償で拝観できるお堂を回り終えて、いざ拝観券を購入。
金色堂も讃衡蔵(宝物の保存館)もゆっくり見られた。
国宝第一号とのことで、保存や修復の努力についても説明があった。
博物館学をかじっていたので、そのあたりの話も実に面白かった。
撮影禁止の指示はきちんと守られており、走る人もいなかった。
中国語はちらほら聞こえたが、説明と質問ばかりで静かなものだ。
そういう意味でもいい空気を味わえた。

かなりじっくり見て回り、坂を下り始めたところで団体客と遭遇。
一気に「拝観」が「観光」の空気に押されてしまった。
入れ違いでよかった、と深く安堵した。
坂を下りきって土産物屋で時計を見ると、まだ10時半前。
人が少なければ、少しの時間でもゆっくりできるものだと驚く。

予定より早いバスで一ノ関に戻り、酒蔵レストランで昼食。
時間に余裕があれば酒蔵の見学もしようと思っていた。
しかし何やら小学校の行事とぶつかったらしく酒蔵の見学は断念した。
幸か不幸か急ぎ足で駅に戻れば1本(1時間!)早い新幹線に間に合う。
指定席を変更する余裕がなかったので自由席で帰途についた。

大失敗をさておいても今回の旅程には改善の余地がある。
夜行バスより前泊のほうが余裕を持って動けたのではなかろうか。
余裕があればこそ出かけたはずだったのだが。

王城

琉球なるものの存在にも興味があり、首里城へ。
大ざっぱな事前知識は那覇市歴史博物館で得ていたので、展示品の一部には頷けた。
琉球国王は尚姓だったが第二王朝の創設者は第一王朝の血筋ではなかったこと。
中国に対する手続きの便宜を優先して改姓も辞さないしたたかさゆえだったという。
そうした「したたかさ」を頭の片隅に置くと、色々なものが違って見えた。

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祈念

年度末を迎えるたび、沖縄に行かねばと思わされる案件がある。
中国の学生たちが日本訪問イベントでひめゆり平和祈念資料館を訪れた感想文の数々。
戦争の残酷さと平和の尊さに痛いほど涙するという。
そこに国籍も民族もない、と書いた子もいた。
だがだからこそ日本人として知っておかねばと一人旅へ。

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働く港

横浜市消費生活総合センター 「消費生活教室」なる企画で横浜港を見てきた。
関係者しか立ち入れないはずの港湾施設を短時間ながら間近で見学。
こういう催事の案内もあるのだから市報も捨てたものではない。

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表示

事実上の一人旅ではシンガポール国立植物園とプラナカン博物館を回った。
途中で立ち寄ったフナンデジタルモールでは買い物に失敗している。
※単に買いたい商品がなかっただけなので事故ではない

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不思議な街

お恥ずかしい話、とある案件の受注まで認識していなかった中華圏がある。
否、中華圏と断定してはやはり失礼なのだ。
唯一の公用語ではないが中国語が十分に流通している国、シンガポール。
どれほど使われていてどこまで通じるのか知りたくて、行ってしまった。

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部活動

鯛焼き部長と徒名が付いて2年ぐらいになるだろうか。
ただ気まぐれに食べ歩いているだけなので部長も部活も有名無実だったのだが。
ひょんなことから浅草で「部活動」をすることに。
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雨も危ぶまれたが、なかなかの鯛焼き日和ならぬ行楽日和だった。

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