原稿到着

前日もらったメールでは、今晩20~21時に原稿が届く予定。
宅配便業者が早めに着くのではと無駄な心配をして
18時には会社を出た。
夕飯は菓子パンとビタミン飲料とヨーグルト。
何故かこの組み合わせで食べると気合が入るので、
私の中では翻訳仕事前の儀式となってしまっている。
普通に考えれば今日すぐ翻訳にとりかかることはないのだが。
というのも、原稿が到着して最初の作業はスキャンだからだ。
原稿が紙であれば一旦ひたすら画像として取り込み、
PDFであれば画面キャプチャを撮って保存し、
中国語OCRソフトで原文ファイルを作成することにしている。
原文ファイルはリッチテキストで作成されるが、
ところどころ間違った字が割りついているので要修正である。
スキャン結果は1ページごとに1ファイル作成されるため、
章ごとにまとめるついで、原稿と比較しつつ誤字の修正をする。
今回は原稿がA4で98頁と聞いているので、
画像取り込みだけでも1時間ぐらいはかかる気がする。
原文のはぎ合わせと校正には、だいたい1頁あたり30分。
素直に積算するとこれだけで6時間?
気が遠くなりそうな皮算用にぞっとする。
心配しつつも、ものが届かなければ何もできない。
時計が20時半を回ったところで、インターホンが鳴った。
いざ!と出てみると、「絨毯のお届けです。」
拍子抜けがした。
確かに取り寄せたのは自分だが、内心「まだいいのに」。
しかも絨毯がとんでもなく大荷物(に見える)。
運ぶのも骨なので、玄関に積み上げて行ってもらう。
そわそわ、いらいら、待つことさらに十数分。
やっと原稿が到着。
絨毯の箱の隙間から顔を出し、配達の人に目を丸くされる。
梱包を解き、封筒から原稿を出して、しばし固まる。
A3だ。
恐らく本を伏せながらコピーをとったのであろう。
事情はわかる。
が、何となくA4を期待していたので、スキャン回数が倍になった。
右頁と左頁で違う向きに傾かれては困るのだが、
どうしても厚みのある本を見開きコピーすると対称的に歪みやすい。
うちの中国語OCRは元画像が2~3度ずれただけでかなり誤認識するので
原稿1頁につき元画像1枚がほぼ前提条件なのだ。
愚痴っても代わりにスキャンしてくれる人はいないので、
粛々と読み込み開始。
……これ、ファイルサーバ機、そこで寝るなぁぁ!

吉報

件の翻訳会社から正式受注との連絡が届く。
中文和訳・土木・90頁強。
ちょうど会社仕事にひまがあるので手放しに喜ぶ。
工数を1ヶ月と見積もっているので、残業などしていられない。
むしろ原稿を会社に持ち込んで通読ぐらいするかも。

1L飲料

コンビニで飲み物を買うと、ストローをくれる。
1L入りの紙パックでも、問答無用でくれる。
誰が使うんだ1L相手に!!
と常日頃から思っていたのだが、
見てしまった。
会社の人、それもうら若い乙女が、
1L麦茶にストロー刺して打ち合わせ中に飲んでる!

断る

重なるときは重なるもので、他の会社からも依頼が届く。
一番つきあいが古いところからなので心苦しいが、
物理的に無理そうなので泣く泣く断る。
せめてもの誠意として、間髪を置かず返信。
もしかすると本当に時間の都合だけで断ったのは初めてかも。

トライアル

早速トライアル課題が届く。
翻訳会社の人は追伸までちゃんと見てくれていたようで、
メールにPDF形式で添付してくれた。
ざっと目を通す。
不可能そうではないので、翌朝に提出と返信。
帰宅後、あらためてPDFを開く。
ざくざくとスクリーンキャプチャをとり、OCR処理。
1枚だけなので印字した紙でも事足りるのだが、
一応「本番は90頁超」を意識して原文もテキスト変換した。
工数の見積もりも出す必要があるので、時計はまめに確認。
1頁が全部テキストになるのに1時間強。
本番だとこの作業だけでも数日はかかりそうだ。
WordとTRADOSを立ち上げ、いざ翻訳開始。
産業科学系の専門雑誌のようだが、文体は分かりやすい。
ただ、似たような意味の語彙がちょこちょこ出てくるのが気になる。
使い分けは意味があるのか?この客先には必要なんだろうか?
複数のサイトで調べても有意な差が見られないものは、
思い切って同じ訳語に統一してみた。
無料トライアルと割り切ると気は楽なもの。
間違いであれば突っ込みが来るなり落とされるなりするはずだ。
採用可否は「正しいか」より「気に入るか」にかかっている。
少なくとも経験上、私はそう信じ込んでいる。

今年の初仕事

帰宅して数十分。洗濯機を回しながらメールチェック。
すると、見慣れないアドレスから何か届いていた。
差出人名も題名も英語表記。
いささかスパムくさいと思いつつ覗いてみると、引合文だった。
しかも、内容は日本語。かなり安心した。
TRADOSなるソフトを使っているおかげで、
去年あたりから飛び込み?の引合が来ている。
今回もそこの検索ページで私を見つけたとのこと、
そのせいで私の名前だけローマ字表記になっていた。
ともあれ、先方が無料トライアル希望とのことなので
課題文を送ってもらえるよう依頼。
内容を一瞥するぐらいなら会社でもいいかと思い、
FAXではなくメール添付にしてくれないかとお願いしてみる。