こんな日が来るとは

大陸の翻訳会社のほうが高単価で求人を出している。

取引実績のある国内のどこよりも高い。
目にした案件の募集分野に限れば相場の倍額だ。
(そもそも分野を限った求人自体あまりないが)

昔は「大陸(の人)なら安く使える」と聞いていた。
翻訳会社の経営者の講演でも、だ。
必要な生活費が少なくてすむから云々。
それが遂に逆転したということか。

気になるのは、和訳だということ。
つまり最終読者、消費者は日本人のはずだ。
下請け料金が高ければ最終製品も高いだろう。
その高い製品を買う原資は期待できるのか?

卑小な話、翻訳料金の支払いは確実なのだろうか。
だとしたら消費税の納税に悩む必要がなくなる。
そもそも国際取引に消費税は課税されない。

複雑な気分で手を拱いている。

機械に使われていまいか

このところ某社の訳文の「チェック」が煩わしくてならない。
無論、見直しを放棄しているというわけではない。
取引先指定のツールで機械的に「チェック」した結果がひどいのだ。
1.「訳文が編集されていない」
2.「異なる原文に同一の訳文が当てられている」
3.「タグ順が違う」
どれも人間ならば指摘しない「エラー」である。
このうち1.は中国語と日本語だから多発するものだ。
例えば「2018年8月9日」と原文にあったら訳文も同じになる。
最もひどい例では項目番号の「①」しかないのに「エラー」だ。
他にも見た目に変化のない対訳は存在しうる。
2.と3.は取り扱い言語が異なってもよく出てくるだろう。
「エラー」が出れば真面目に確認はするが、まず誤訳ではない。
原文の句読点に全角と半角が混ざっている場合に頻発する。
訳文では句読点を全角に統一するため2.の「エラー」が出る。
そして3.については数字の位置を動かすと出る。
アラビア数字は半角、漢数字は全角のせいだ。

「おかしなエラーは無視してください」と担当者は言う。
言うのは実に簡単だ。
その処理が何千回もあるのに。
人間だったら指摘するはずのない「エラー」処理が。
しかしその「チェック」を経ずに納品はできない。
訳しようがない箇所は対象外に指定してくれと頼んでも返事がない。

機械ほども信用してくれないんでしょうか。