デーモン小暮閣下(「閣下」まで含めてフルネームらしい)のGIRLS’ ROCKを聴いてみた。
アン・ルイスから中森明菜まで、物心ついたか否かの頃かかっていたポップスがカバーされたアルバムなのだが
編曲したのが北欧のメタルバンドなんだそうで、音のつくりがかっこいいったらない。
知っていたはずの歌がまるっきり違う音楽になっている。そもそも原曲を覚えていないもの以上に驚きが大きい。
ふと思った。歌詞こそ日本語のままだが、楽曲は翻訳されているのではないか?
既に作品として成立している曲がCodeのAnders Rydholm氏なる人物の解釈で別物になっている。
これは日本のポップ/ロックを彼がスウェーデンのメタルに訳しているということなのではないか?
そして、否しかし、恐らくこの作品群はRydoholm氏のものではなく閣下のものだと認識されているだろう。
名前が明記されているところこそ違うが、「顔」が表に出ないあたりやはり翻訳業に近いものを感じる。
原曲を知らない今の若い人たちが聞いたら(聞くかは分からないが)、古い歌とは感じないだろう。
同じように、きっと訳文だけを見ている人々もそれが中国語や英語だった頃のことは感じないはず。
感じ取らせてしまったら一種の負けだ。
こんなかっこいい仕事が私にもできたら、と思う。
畑は全く違うが、何か通じるものを感じる限り。信じられる限り。
……これって悪魔からの啓示なんだろうか?