ダメ出され

某海外翻訳会社からダメ出しをくらった。
・余裕ある納期を提示してやったのに何をそんなに急いでいたわけ?
・お客さんから赤が戻ってきたから、どこが悪いのか考えて


そのメールを見るなり妙に脈が速くなり、急に寒くなってしまった。
悪い予感とかいう感情的なものではない。
客先からのフィードバック(赤字修正)をもらうこと自体が珍しいので緊張したせいだろう。


ともあれ、反省すべきものは反省しないと。
その赤字修正を見るなり、悲しくなってしまった。
「この製品は、~できます」が直されて「この製品は、~できる製品です」とある。
詳細は書けないが、要は「名詞は名詞として訳せ」としか読み取れない赤字だった。
後出しジャンケンでそれはないだろう。
あらかじめそういう指示があれば従うこともできたが、納品物をみて「誤訳」だとさ。
「規格書」としか原文にないところが「納品仕様書」になっていたりの「誤訳」指摘も多数。
これを見せられて何が悪かったのかと聞かれても困る。
金曜の夜中~日曜の正午までの時間に資料の請求や質問をしなかったのが悪いのか?
・とっとと提出した=拙速だったのか?


「できるだけのことはした、意味に間違いはなかったが表現上の差異があった」とひとまず翻訳会社には返信した。
努めて冷静に反省事項をまとめ、そうしたつもりだ。


悲しくなった、というのは、客先からと翻訳会社からの「不信感」をどことなく感じたからだ。
初めて発注する相手、それも試訳なしだったので、全幅の信頼を置けないというのは分かる。
それでも、その条件で発注したのは誰の判断?
心配なことがあるなら釘を刺しておいてくれれば、対処するなり断るなり、こちらにも手はあった。
特に何の注意もなく、金曜の晩に「納期は日曜の正午」とだけ言われて原稿を渡されたのだ。
いつものとおり訳して提出する以外に考えが及ばなかったのだが、浅はかだったのだろうか?
私としては、何か問題点があっても翻訳会社(と当方)で手直しできる時間をとって対処できる、との考えから、特に指示のない限り早めの納品を心がけている。
#無論、だからといって適当にさっさと仕事をしているつもりはない。
それが「拙速に過ぎる」と映ったのだとすると、この上なく悲しい。
それならそうと、客先提出の前に意見をくれれば再考の余地もあったはずだ。


合わせられるところは合わせる、それ以上のことはしない。
本件の責任はできるだけ負うが次回以降のつきあいはしない。
それだけのことなのだが。
頭では分かっているのに神経が落ち着かない。
未熟さ故のこと、と飲み込むほかないのだが。

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