本業も副業も時給いくらの仕事ではないのだが、諾否の検討には工数の概念が要る。
必要な作業量の見当が付いてこそ、もろもろの予定も立てられるというものだ。
たいていの場合、文字数ないし原稿枚数の概算を聞いて所要時間を考える。
提示される作業量と実際に処理する量が何割も食い違うことはあまりない。
例外は、未確定状態で打診が来る場合ぐらいだ。
そう思いこんでいたら別の例外に行き当たった。
訳し上がり枚数単位で注文をくれる会社ということもあるが、見積作業量が過大だったのだ。
中文和訳の場合、訳文の文字数はおおむね原文の3割増ぐらいになる。
発注側も恐らくそのぐらいの感覚で見積もっているはずだ。
電話で文字数(枚数)を聞いた時点では、急いで2日ゆっくりで3日と推定された。
ちょうど別件もなかったので週末ゆっくり処理するかと思っていたら、実際の所要1日。
流石に概算が倍も狂っていたわけではないのだが、拍子抜けがした。
訳文の文字数を数えてみたところ、発注書にある量より3割ほど少ない。
技術文書なので冗長な表現を避けたのも確かだが、そもそも原文が短かったせいだ。
翻訳中のWordファイルと原文PDFファイルを見比べながら進めたが、抜けはなかった。
安全を見込んで作業量を多めに捉える(ないし伝える)のは正しいことだとは思う。
請ける側としても処理可能量ぎりぎりの日程はできるだけ回避したいところだ。
ただ負荷が思っていたより少なかったことで実入りも、と思ってしまうのは贅沢だろうか。