鳥好き経済

愛でてよし、嗅いでよし、食べてよし。
愛玩動物市場での扱いは小さいが、鳥の人気には不思議なものがある。


飼うばかりが鳥の楽しみ方ではない。
バードウォッチングなる趣味は昔からあるが、鳥に手を出さないことに価値がある。
高尚すぎて自分が末席を汚せる気はしないが尊重したい。
いっぽう、野鳥ならぬ愛玩鳥を鑑賞できる施設も増えてきた。
とりみカフェのようにただガラス越しに見るところもある。
花鳥園では見るだけでなく鳥にまみれて遊べる。
ことりカフェの楽しみ方はその中間に入るだろうか。
こうしたカフェでは鳥を象った菓子類や料理を楽しむこともできる。
鳥を象った商品となると、犬猫のそれに引けを取らないほど色々ある。
自分の飼い鳥(個体)をモデルに写真集や雑貨類を制作する「鳥作家」さんも多い。
よその鳥でもかわいいものはかわいいと購入する人が一定数いるということだ。
あまつさえ、特定の個体のファンを自認する人さえいる。
某通信会社の北海道犬のようなテレビ/CMタレントでなくともファンは付くものだ。
鳥好きの集まりに顔を出すと、女性は高い確率で「鳥もの」を身につけている。
どうも鳥でさえあればよいらしく、自身の愛鳥とは無関係のものも多い。
男性でも身につけられるものは多くはないが、Tシャツぐらいはありだろう。
例外的に許容されるのは「汚されても問題なさそうな服」だ。
だいたいその意義を解する人しか集まらないが、お分かりだろうか。
犬好きや猫好きにまずありえないのは「食べてよし」だろう。
何度か「鳥好きなのに鶏肉を食べるなんて」と言われたことが本当にある。
流石に目の前で絞めた鶏の肉を供されたら箸も出せなくなるだろうが、鶏は鶏。
例えば鶏とインコは犬と猫(イヌはネコ目イヌ亜目)より違う。
尤も鶏を愛玩しつつ鶏料理が好物という人もいるが。
愛鳥>その同種>類似種>類似しない鳥、と差はありつつも鳥は鳥。
軽やかに使い分けてふんわりと楽しむのが鳥好きの作法なのかもしれない。

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