月餅できるかな 本番

シロップを仕込んで1ヶ月になるので、いよいよ焼成工程。
ここで特殊食材、ピーナッツ油と梘水が必要になる。
また、餡にはピーナッツ油に加え桂花醤も投入した。
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まず、180度のピーナッツ油50mlで桂花醤5gと餡500gを炒める。
『月餅大全』では漉し餡の作り方から説明されているが、今回は市販の餡を利用。
激しくはねるので、エプロンどころでなく割烹着が必要だ。
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餡を桂花醤と混ぜてほぐすように炒め、とろりと練り上がったところでひとまず完成。
混ぜ込むナッツ類をオーブンにかけつつ、生地にかかる。
生地はまず例のシロップにピーナッツ油と梘水を計って混ぜる。
ところが室温のせいか瓶を傾けてもシロップが出てこない。
水飴より粘性のある扱いづらい流体となっていた。
少し湯煎しても埒が開かないので、計量しがてらボウルに移して少々レンジ加熱。
薄力粉100%に対してシロップ80%、ピーナッツ油30%、梘水2%とある。
今回はシロップが約180gだったので他はそれに合わせた。
結果、約30個、天板2枚分。
(同書の表記が実際に百分比しかなく、実際に何個分かは試すまで不明だった)
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上述の餡では15個分にしかならなかったので、残りは各種ジャムで実験。
ジャムでは硬さが全く足りず、型で抜く圧力に耐えず崩れてしまう。
和菓子の餡より少し硬いぐらいの粘り気が成形に必要だったのだ。
ものの本にはココナッツを具にする場合つなぎに餅粉を使う例がある。
粉飴で粘りを出す案も載っているが、些か工業的に過ぎるだろう。
現実的な線としては餅粉か白餡を混ぜるのが妥当ではと思う。
参考書は手元にあるものの、ほぼ手探りの状態で作った初回作はこちら。
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全体に浅黒く、型押しの跡が浅くなってしまっている。
シロップを煮詰めすぎて生地が硬くなってしまったためらしい。
やり直すには無論また1ヶ月かかるが、今回の経験を踏まえれば少しは改善するだろう。
中国語が読めて訳せても、意外とものは形にならなかった。
そもそも『月餅大全』が職業訓練校用の参考書ということもあり、食材の違いもある。
筆者が伝えようとしていることと、読者が汲み取るべきことも違う。
否、場合によっては一致し、場合によっては異なるのだろう。
用途と読者を意識することの重要性が五感で解った、とでもしておこうか。
今回は想定対象読者と実際の読者である自分との違いを把握できていなかった。
翻訳実務でそこまで追う義理は流石にないだろうとは思うが。

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