横濱中華街の関帝誕なるものを見てきた。
日本の夏祭りと違い、納涼のかけらもない熱さ。
まあ聖人の降誕を祝うのだからしめやかより華やかなほうがいい。
パレードの先頭を飾るのは視覚ではなく聴覚。
驚いて泣き出す子供がいるほど賑やかな爆竹がしばらく鳴り続いた。
中華圏では魔除けとして爆竹を鳴らす習慣があるので、さしずめ露払いか。
このストーブほどもある籠の中で爆発させつつ曳いていく人もたいしたものだ。
巨大なカラクリ人形が見所だと聞いていたが、獅子舞も相当な大きさだった。
前足担当が途中で後足担当の肩に飛び乗ってしまうのだ。
やはり物より人間が凄いのが中華といった感がある。
惜しむらくは動きが速くてほとんど写真を撮れなかったことだ。
龍の動きも何のゲームかと思うほど速い。
どうにか正面から撮れたのは関平将軍像ぐらいのものだ。
3mを超える大きさだそうだが、やはりすたすたと通り過ぎてしまった。
主役であるところの関帝聖君みこしも気づいた頃には後ろ姿。
大通りを外れた茶館で休憩してから再挑戦の機会を得たが。
日本人の想像を超える電飾みこし。
まるで神々しくないのだが、それでいいのだろうか。
多分いいのだろう。関帝聖君は商売の神様だ。
動きについて行けず1枚も撮れなかったのだが、祭りの主役は鉦太鼓だったと思う。
山盛りの爆竹にも負けない賑やかさで躍動感あふれるリズムを奏でていた。
そちらの出身の人なのか、沿道で調子を取り、踊りたそうに覗く観客も微笑ましい。
伝統も宗教もなかろうというほどの混沌だったが、一行は誇らしげに見えた。
異郷の地で一堂に集い、彼らは何を思っているのか。
否、問答無用で盛り上がる祭りがあっていい。
きっとそういうことなのだ。