ソウルの翻訳会社から英文和訳の依頼。
ぱっと見たところ一般文書で難しくはなさそうだった。
あまり複雑な構文は使われていないようだったので、
まず下訳としてエキサイトのテキスト翻訳にかけてみる。
ほぼ期待通り、6割ぐらいは信頼できそうな日本語文字列ができた。
得られた文字列を1ファイルにまとめて保存。
次に、英語原文と上記「訳文」を対訳の形に並べて比較。
両方のファイルをTradosのWinalignに読み込んだ。
日本語の修正や文体の統一(=実質的な和訳作業)に3時間ほど。
結果をTrados翻訳メモリ形式に書き出して一休みした。
あとはこの翻訳メモリで原文を処理するだけだ。
ほぼ自動的にできるはずだった作業が、実は一番の番狂わせだった。
対訳として表示されるはずの日本語が読めない。
最初は西欧言語の、次は韓国語のものらしきフォントで文字化け表示。
……今までの時間は文字化けで台無し?
ところが翻訳メモリそのものを見ると日本語が保持されている。
どうも、翻訳メモリに格納されている日本語のフォントが
初期設定と違っていると文字化けを起こすらしいことが分かってきた。
とはいえ元は単純テキスト、フォントの設定など全くしていない。
原因やら回避策やらは解らないものの、とりあえず対症療法だけすることに。
すなわち、翻訳メモリ上の日本語をいちいちコピーして
訳文ファイルへテキスト貼り付け。
段落の数だけ繰り返す単純作業に2時間余りを浪費。
3時間強でできるはずの仕事に結局6時間弱かかってしまった。
これでは時給換算で割に合わない。
翻訳そのものは難しくなかっただけにより腹が立つ。
……そもそも英文ファイルを韓国語フォントで送ってくるほうが変では、
などと他人のせいにしてみる。