生きているのか微妙な言葉

自宅の共有玄関に「お住みの方の迷惑になります」とかいう張り紙があった。
反射的に「お住み」ではなく「お住まい」のほうが自然かと感じたのだが、由来が分からない。
そもそも「住む」と「住まう」の違いを意識したことがなかった。
試しに「住まう」を辞書で引いてみると


大辞林 第二版 (三省堂)では
すまう すまふ 【住まう】
〔「住む」に継続の助動詞「ふ」が付いたものから〕
(1)住み続ける。暮らし続ける。
(2)(芝居の舞台で、登場人物が)すわりこむ。座を占める。


とある。
住み続けずに住むという状態がにわかに想像しがたいが、語の成り立ちには興味を覚えた。
似た構造、由来の語句には他に何があるだろう?
動詞に「う(ふ)」が付くことで継続を示す別の動詞になったもの。
とっさに思いついたのは「うつる-うつろう」だった。
上記辞書で確かめたところ、正解。
当たっていたのはいいが、意外なほどに他の例が思いつかない。
しばらく考えて見つけた次の正解は「よぶ-よばう」
どうも最初の「住まう」を含め、書き言葉にしか出てこない気がする。
日常会話で発する機会はなさそうな語彙ながら、何となくこういうものは忘れたくない。

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