近隣は古くからの街らしく、大小の伝統行事がまだ残っている。
この週末は各神社で秋祭りらしく、ほぼ路地という路地が神社の旗幟(?)で埋まった。
神社ごとに色柄が違うので、境界に当たる交差点などは目も眩むにぎやかさだ。
複数の神社から神輿が繰り出され、秋晴れの下を練り歩いていく。
老若男女とはいかないが、担ぎ手には若い男性もかなりいた。
古い街だからといって恐ろしく高齢化が進んでいるというわけでもないらしい。
ただ、道ばたで休憩している姿はおよそ縁遠いものにしか見えなかった。
窓の下にやってきては流れていったのが何社分あったろうか。
気に留めるでもなく聞き流し、私は来客との話に興じていた。
こうした昔からの祭りは客人の住む街にもないそうだが、かといって気にするでもなし。
都市部や郊外に住み慣れるというのは、こういうことでもあるのかと思った。
明らかな淋しさを感じたわけではないのだが、思い起こすのは中島みゆきの「まつりばやし」。
実際に聞こえる和太鼓と同曲とは似てもにつかない音で構成されているが、景色は同じ。
通り過ぎていく。
変わるものも変わらないものもあるが、同じものはない。
今回の務めを終えたらしい神輿が4tトラックに乗って国道を流れていった。