二人と二羽

「ショックでした」
予想外の、かつ予想どおりの言葉にどんな顔をしてしまっただろう。


鳥仲間の自宅を訪ねたのだが、鳥の話題は後回しだった。
そういう相手だからこそ、仲間と認識できているような気がする。
曰く、私のよさは誠実なところなのだそうだ。
唐突にそんな話が出てきて泡を食ったが、とりあえず軽く礼を述べた。
彼女が言いたかったことはしばらくして分かったが、記憶だけにとどめておく。
予想されていた質問に想定どおり答え、少しばかりしんみりした。
「金木犀」を流しながら、無言で籠の中の二羽を見遣る。
一羽は籠の奥深くに潜り、眼だけでこちらを伺っていた。
一羽は私を警戒しつつ、飼い主の浮かない表情を心配している様子。
幸か不幸か、あまり「空気を読む」子達ではなかったようだ。
扉を開けると普通に出てきて、思い思いに遊んでいた。
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緊張気味ながら私とも遊んでくれたが、あまり彼らの眼中にはなかったらしい。
むしろ二羽の相手をする彼女を眺めて静かに過ごすのが癒しだった。
「この子達がいると、落ちてる暇もないんですよね」
彼女は前のこまに寄せた記事を気に入ってくれたそうだ。
似通った感覚をやはり味わっているという。
そういうつながりは残るし、全く消えるというわけでなし、いいよね。

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