今年もやってきた

定期案件と称するべきか悩ましい作文の季節がやってきた。
春から秋にかけて作文を募集し、入賞者には日本旅行という企画が毎年ある。
募集期間中は毎月3-4作の優秀作品、この時期には賞品旅行の感想文が来るのだ。


応募作品そのものは内容もレベルも千差万別で、難易度は一概に言えない。
ただ旅行の感想となると全員の体験がほぼ同じなので安定してこなせるものだ。
何故か去年だけは大作が数点あって他案件と衝突しすごいことになっていたが。
具体的にいつ、いくつ原稿が来るのかは常に分からない。
回収でき次第こちらに送られているようだ。
事前に分かるのは総計いくつ(何人)なのかという情報のみである。
それとて、数人は増える危険性を否定できないのだが。
こう条件を並べてみるとあまり有利には見えないが、客先からの評価が高いのは確からしい。
間に翻訳会社が入っているだけに文字通りの指名とはならないが、実質専任のようだ。
他の翻訳者に出す気はないようなので、努めて断らないようにしている。
普段が実務文書ばかりなので紀行文や感想文が軽くて面白いというのもあるが。
中国人が歩いて見聞きした日本の姿は、普段から暮らしている自分のものとは確かに違う。
街がきれいだとか運転者が歩行者に優しいだとか、謙遜ではなく否定したくなるほどだ。
それでも相対的には、ということなのだろう。
表現こそ違えど決まって出てくるのが、主催者への謝辞である。
「井戸を掘った人を忘れない」ということか。
与えられた機会や幸運ではなく、人それも特定少数の個人に感謝するのだ。
そして当然かもしれないが、その感謝は見えている人だけに向けられる。
なるほど対中外交は顔が大事というのはそういうことなのだろう。

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