捨象

今年のJTF翻訳祭には書記ボランティアなる立場でお邪魔していた。
参加したという感覚はない。
もっと何かできただろうかとは思うものの、一応は業務を完了した。


会社の議事録であるまいし、と引き受けたのは軽率だった。
社団法人の報告書として残るもの、という事実が存外に重い。
まずは事実の書き落としがないよう、講演を聞き取りながらひたすら入力。
個人用の備忘録であれば適宜まとめながら入力でもよかろうが、公的記録の元である。
まとめるのは後でもできる、まずは素材を収集せねばという一心だった。
骨子として事前告知されていた概要を使うつもりだったが失敗。
誰の話も想定どおりまっすぐに進みはしなかった。
そこでの遅れを挽回できる措置を用意しておくべきだったか。
ともあれどうにか書き取った下書きは各3000字を超えている。
これを業務規定により800~1100字に収めねばならない。
改めて、話の軸は何だったのかと配布資料をめくった。
しかし飽くまで資料は資料。むしろ講義の情報量を補足する存在だ。
結局、これだと思う軸に合わせて全体を再構成することにした。
講義の時系列から逸れるところもあるが、概要の記録と割り切るほかない。
面白さ、講演者各位の熱意、伝えたかった魅力はほぼ全滅した。
重要なところを落としていないといいが、と気にかけつつ、講演者各位に校正を依頼。
それぞれ思うところあっただろうが、まずまずの評価を頂くことはできた。
うまい人ならどう進め、どうまとめたのだろう。

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