東北が(皆さんを)呼んでいる

先日「日経ウーマノミクス・フォーラム」の東北移住セミナーに行ってきた。
移住入門ガイダンスと経験者の東北移住/起業生活を聞く軽めの内容。
やたら食べ物の自慢が多かった。


気候風土に苦労したという話は意外なほど出なかった。
あるいは受講者に覚悟を決めてもらう段階ではないので忌避されたのかもしれない。
農場に就職された方が「雪道の運転には4年かかって慣れた」と言及した程度。
出身者の経験として、東北地方で暮らすには車の運転が必須である。
そして東北ではほぼ全域で雪が降る。
(自慢ではないが郷里いわき市の半分以上は首都圏ほども降らない)
交流会で東北経済産業局の方をつついてみると、まずどこでも降るのが常識らしい。
気候ではない土地柄、人とのつながりのほうが重要なようだ。
「10年ほど通ってから移住して8年、ようやく受入れられてきたような気がします」。
「契約書ありきで取引がとんとんと進んだりはしませんね」。
「若者、よそ者、馬鹿者のうちの馬鹿者を探し出すのが(事業の)第一歩でした」。
プロジェクト事務局の方に言わせても、キーマンをつかまえるのが肝だとのこと。
(模範的ヒロインではない)普通の人にそんな力があるかと問い返すと笑われた。
「だからこうして東北六県のキーマンを経産省が東京に集めているわけです」。
参加者が多すぎて把握しきれなかったが、そうした出会いの機会もあったようだ。
東北移住のうまみはというと、文字通り食の豊かさと生活費の安さ。
「可処分所得が半減しても野菜と魚はもらえますから」は極論だろうが。
住居も不動産屋を通さず借りるツテがあれば首都圏とは桁違いに安い賃料で足りる。
その要因というより相互干渉なのだが、賃金水準も推して知るべし。
何しろヒロイン級の人々が開発した商品は「地元の人に売れる値段ではないです」。
とすると、我々のように居住地域に関係ない報酬体系で生きる人間には有利か?
「地方支社のある会社に勤めて移動を申し出る」道もさらりと紹介されていた。
何かが歪んでいるような気はしつつも、現実の一面としてはそんなものだ。
個別の地域に関する情報は、各県の移住ガイド冊子が配布された。
各県の関連サイトにもだいぶ力が入っているようだ。
青森県移住・交流ポータルサイト「あおもり暮らし
公益財団法人 秋田県ふるさと定住機構「Aターン希望の方へ
岩手の仕事・就職情報サイト「シゴトバクラシバいわて
みやぎ移住ガイド
ふくしまぐらし
自然や農作物(消費専門も含む)の好きな向きは検討されてはいかがだろうか。

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