外こもり?

今日は会う予定だった友人が捕まらなかったので、時間が空いてしまった。
とはいえツアー扱いの契約なので航空便をずらすこともできない。
滞在先が安いビジネスホテルなのでチェックアウトがやや早い。
さあ困った。
とりあえず空港へ直行し、ラウンジで過ごすことに。
時間が空いたとはいえ、実は手元に仕事を抱えているのだ。
電源とインターネットにありつければ退屈はしない。
ラウンジは両方を提供してくれるのだが、いかんせん机が椅子の真横についている。
動かせる構造でもないので、身をひねるようにして午前中をそのまましのいだ。


正午ごろになって腰が疲れてきたため、休憩を兼ねてラウンジを退室し空港内レストランへ。
おでんが美味だったが、何故かイタリア~ンなトマトが入っていた。
しかしそのトマトも何故か美味だった。
デザートまで食べて満足したところで、元のラウンジには戻らず保安検査場へ。
検査場はむしろ伊丹のところより混んでいた。
通過した先は閑散としていたので利用客数の差ではなさそうだ。
パソコン専用のかごを係員に手渡ししてもらう暇だけでも蓄積すると行列になるのではと疑わしい。


東京土産を一つ買って、今度は制限エリア内のラウンジへ移動。
保安検査前のところでは全席にあった電源が、こちらではほぼ確保できない。
ようやくタコ足から引っ張れそうな場所を見つけたので、他の条件は考えずまずその席に陣取った。
こちらの椅子は(是非はともかく)動かせるので、椅子を回して机の正面を向いたところ。
数分後にラウンジの人がやって来た。
戻せと注意されることは覚悟していたのだが、意外と用件はそうでもなかった。
「電源の取れるお席ならご案内しますよ」
そそくさと椅子を戻し彼女の案内に従うと、ビジネスセンターなる部屋に着いた。
ラウンジの中にパソコン部屋がしつらえてあったのだ。
背中合わせに2席あり、事務机にやや独特なパソコンが備え付けてある。
10分100円でOpenOfficeとブラウザが使えるそうだが、持ち込んだパソコンを隣で使ってもいいらしい。
それを示唆するかのようにfreespotの案内表示がちょこんと置いてあった。
雑誌を読んでお茶を置いたらいっぱいいっぱいのテーブルとは比べものにならない安定感。
すっかり根を生やして3時間ほどそこで仕事をさせてもらった。
途中、反対側の席に何人か出入りがあったり、利用を試みて断念する人があったりしたが、よく覚えていない。
そんなに集中して仕事をしていたということもないのだが。


そんなラウンジの状況は、電源検索サイト「モバイラーズオアシス」を作っているダンナに随時報告した。
外出先で電源が取れるとか、机が使えるとかいう場所を収集表示しているサイトなので、そういう情報の需要があったりするのだ。
夕方になって搭乗口付近へ移動すると、パソコン用と言いたげな机と椅子の組が目に入った。
まだ離陸まで時間があるので作業を再開しようかと思ったが、インターネットにはありつけなかった。
やむなくオフラインでもできるところのみ作業を進め、搭乗案内を待つことに。


ということでほぼ丸一日、羽田空港に籠もっていた。
貴重な機会だとは感じないが、多分そうそうない事態だろうとは思う。

JTF翻訳環境研究会

わざわざ東京に出てJTF翻訳環境研究会「IT翻訳の現状と翻訳の未来」に参加したのは、話題がまさに業界の環境を取り巻くものだったからだ。
講師はもとより聴衆もほとんどがIT翻訳の中の人。
翻訳会社から来た人も、フリーランス翻訳者も相当数いたが、基本的利害は共通している模様。


第一部が「IT翻訳の現状」。
IT翻訳の顧客は多国籍企業が多いようで、昨年来の不景気がとても響いているとのことだった。
・翻訳単価の切り下げ
・もはや「翻訳」の手応えがない「作業」
・優秀な人材でも仕事にあぶれる景気
とまあ、印象に残っているのは暗い話題ばかりだ。
出席者からは苦笑やらため息やら声にならないような反応が漏れたりしていた。


第二部は「翻訳の未来」。
・Googleの翻訳関連ツールが革命を起こすのか?
・起きるとしたら影響は?翻訳業界としてのすべきことは?
・日本でも英語を公用語にすべきでは?
といった講師の推測と意見が熱く語られた。
翻訳するということの意義や歴史などについても言及があり、考えさせられる内容ではあった。


その後ややあって懇親会に移ったわけだが、やはり出席者は誰もが「英語の人」。
私だけいまいち利害(蚊帳?)の外にいる感じがやはりぬぐえなかった。
講師じきじきに聴講の動機を尋ねられたほどだ。
……ぃゃだって、要項を見る限り、自分が対象外とは思えなかったのだが。
○翻訳業界の将来に関心のあるすべての方(IT翻訳の予備知識は不要です)
業界の末席を汚している以上、関心は大いにある。
それに、講義内容も英日・日英の翻訳に特化されたものではなかった。
・業界の構造と動向
・仕事の流れ
・翻訳対象の変遷(文脈のある一連の文章→大量の断片)
・最近の翻訳関連ツール
など、いずれも中日翻訳だからといってありえない話ではない。
大幅に違ったのは受注単価ぐらいのものだ。
昔は高かったという話は「歴史」なのでさておき、十分以上に値下がりした英日の単価でも聞くと高く感じる。
懇親会で「だって安かったら家族が養えないでしょ」という声があったが、それはどうなのか。
コスト積算でいくら欲しい、というのは違う気がする。
翻訳者に家族がいようといまいと、客先には何ら関係がない。
まぁそこを主張する、できるのがグローバルな発想とやらかもしれないが。

盛りだくさんな一日

・東京に移動
・元同僚二人と昼食→副業の営業
・ゲーム翻訳受注
・翻訳環境研究会
・研究会後の懇親会
・納品済み翻訳の確認


今回の主な目的である研究会、懇親会についても思ったこと書きたいことが多々あるものの後述。
まずは一言だけ、「収益の柱は複数あるといいよね」
とかく充実して忙しい一日だった。

空港にて

リムジンバスの都合で半端に時間が余った。
暇つぶしの需要と食後の薬を飲む都合から、ベーカリーカフェで朝食を摂ることにした。
したのだが。うっかりカフェ部でなく持ち帰り部に並んでしまい、「お気を付けてお持ちくださいませ」
軽くへこみながら、飲み物を買うのはばかばかしいと思いカードラウンジへ移動。
「飲食物の持ち込み、持ち出しはご遠慮ください」と入ってすぐの場所に掲示されている。
持ち出しはともかく持ち込みぐらいいいぢゃないか、空港内だしと内心ごねて(実際には黙って)いた。
すると航空券とカードを受付に出して待つ間、手前にパンがあるではないか。
「クロワッサンサービス なくなり次第終了」
しくじった。パンを買う必要自体なかったのだった。
ともあれ朝食と暇つぶしはラウンジで済ませられたのでまあいいか。
お気に入りの「充実野菜」にもありつけたし。


一方、手荷物検査にどれぐらい時間がかかるか気がかりだったのだが、意外と順調に流れていた。
というのも、今月から機内持ち込み手荷物が各社統一だとかで基準変更になったのだ。
気づいていなかったり無視したりする乗客が何人いるかによって所要時間が決まるのではと心配だった。
パソコンを鞄から出したとき並ぶ列を変更したのが幸いしたか、全くストレスなく通れてびっくり。
ちなみに検査場では図のような枠を検査器にはめているのだが、荷物を通すときにはよけている。
わく.PNG
よけるなら意味ないような気がするのだが。

規格文の同一性

GB230.2という中国の規格は、ISO 6508-2:1999 の中国語訳を元に作られている。
表紙を見るとMODとあるので完全一致(ただの英文中訳)ではない。
国会図書館リサーチ・ナビの「ISO規格やIEC規格を翻訳して作成されたJIS規格」によると
▼Modified (MOD)
国際規格を修正して国家規格に採用。国際規格との技術的内容及び規格の構成の変更が必要最低限で、技術的差異が明確に識別され、かつ、説明されている。

とあるので、JISならぬGBでも似たようなものかと思っていたところ。
まえがきの「我が国の標準作成に関する規定に従って編集上の修正」が曲者で、
同じISO規格に対応する「技術的内容を変更することなく作成した」JISB7726とは文言がほぼ合わない
GBでも「文書の構成および技術的内容についてはISO 6508-2:1999と一致」と明言しているのに、何故か数字がちょこちょこ違う。
よくよく見ると、JISでは「5個の数字の平均」としか書かれていない箇所がGBでは代数を用いた計算式で表されていたりして、より具体的なのだ。
用語の訳はそのまま使えるとして、GB230.2(の和訳)がJISB7726で代用できないということが確定。
仕事が減らなくて幸いだったのかそうでもないのか。

外来語

昔、翻訳学校に通い始めた頃。
中国語で「棒」と言うとかなり太い棒を指すので、「綿棒」を「棉棒」と訳してはいけない、と教わった。
綿棒の太さを反映させると「棉尖」になるのだとかなんとか。


ところが今「棉棒」で検索しても普通に綿棒の商品説明が出る。
つまりは「綿棒」という日本語が輸入されて外来語として定着しているのだ。
#まあ検索結果の上位を占める「棉棒」も日本製なのはご愛嬌


漢字を並べて作られている熟語は漢語だと信じてしまいがちだが、意外と日本語由来のものは多い。
化学用語には特に日本語訳を漢字変換だけして使っている例が多いそうだ。


日本人は横文字の新語をそのままカタカナ表記して使うのが得意なようだが、
お隣の国ではその日本で(昔)作られた漢字表記をそのまま使って語彙を豊かにしているという話。

ダメ出され

某海外翻訳会社からダメ出しをくらった。
・余裕ある納期を提示してやったのに何をそんなに急いでいたわけ?
・お客さんから赤が戻ってきたから、どこが悪いのか考えて


そのメールを見るなり妙に脈が速くなり、急に寒くなってしまった。
悪い予感とかいう感情的なものではない。
客先からのフィードバック(赤字修正)をもらうこと自体が珍しいので緊張したせいだろう。


ともあれ、反省すべきものは反省しないと。
その赤字修正を見るなり、悲しくなってしまった。
「この製品は、~できます」が直されて「この製品は、~できる製品です」とある。
詳細は書けないが、要は「名詞は名詞として訳せ」としか読み取れない赤字だった。
後出しジャンケンでそれはないだろう。
あらかじめそういう指示があれば従うこともできたが、納品物をみて「誤訳」だとさ。
「規格書」としか原文にないところが「納品仕様書」になっていたりの「誤訳」指摘も多数。
これを見せられて何が悪かったのかと聞かれても困る。
金曜の夜中~日曜の正午までの時間に資料の請求や質問をしなかったのが悪いのか?
・とっとと提出した=拙速だったのか?


「できるだけのことはした、意味に間違いはなかったが表現上の差異があった」とひとまず翻訳会社には返信した。
努めて冷静に反省事項をまとめ、そうしたつもりだ。


悲しくなった、というのは、客先からと翻訳会社からの「不信感」をどことなく感じたからだ。
初めて発注する相手、それも試訳なしだったので、全幅の信頼を置けないというのは分かる。
それでも、その条件で発注したのは誰の判断?
心配なことがあるなら釘を刺しておいてくれれば、対処するなり断るなり、こちらにも手はあった。
特に何の注意もなく、金曜の晩に「納期は日曜の正午」とだけ言われて原稿を渡されたのだ。
いつものとおり訳して提出する以外に考えが及ばなかったのだが、浅はかだったのだろうか?
私としては、何か問題点があっても翻訳会社(と当方)で手直しできる時間をとって対処できる、との考えから、特に指示のない限り早めの納品を心がけている。
#無論、だからといって適当にさっさと仕事をしているつもりはない。
それが「拙速に過ぎる」と映ったのだとすると、この上なく悲しい。
それならそうと、客先提出の前に意見をくれれば再考の余地もあったはずだ。


合わせられるところは合わせる、それ以上のことはしない。
本件の責任はできるだけ負うが次回以降のつきあいはしない。
それだけのことなのだが。
頭では分かっているのに神経が落ち着かない。
未熟さ故のこと、と飲み込むほかないのだが。

おかしなお菓子

先日、お茶を輸入するついでに「十月初五 核桃酥」なるものを買った。
ご丁寧に英語で「October Fifth Walnut Cake」と説明されている。
能書きを見るに「十月初五」=「October Fifth」はお店の名前なのでどうでもよい。
問題は「核桃酥」=「Walnut Cake」のほうだ。
・中国語を直訳すると「くるみさくさくクッキー」となり、「Cake」とは些か合わない
・くるみが全く入っていない。入っているのはアーモンドだけ
ついでに、マカオ土産と書いてありながら
・製造元は広東省。まぁマカオの広さ(世田谷区の半分程度)を考えればまだ許せる。
・中国語表記が全部簡体字。マカオで売られている商品ならば繁体字のはず。


という訳で、結論(教訓とは言いたくない)。
中国語ができるからといって文字列情報だけで商品内容はわからない。
……あほか。

プーアル茶の威力

昼に何だかこってりしたものが食べたくなったので、街の中華屋へ行った。
普段ほとんど油ものを口にしないので、たまに濃いものが恋しくなるのはいいのだが。
パラパラに仕上がった炒飯は確かにうまいが、口の中やら喉やらに油が残った感じがする。
大衆食堂っぽいところであまり期待してはいけないのだろうが、お茶はなく水しか提供されなかった。
帰宅したらすぐお茶を淹れようと思っていたのだが、我慢しきれず歩く途中でウーロン茶を購入。
飲むとそれなりにすっきりするので、あの店では是非ウーロン茶を提供すべきだと思った。


それでも何だかむかむかするので、帰宅後、やはりプーアル茶を淹れることに。
今あるのは西部印象とかいう雲南省ブランドの3年物だ。
プーアル茶のくせに苦いので少し飲みにくいかも、と思っていたのだが今回はむしろそこに期待。
いざ飲んでみると、一口で「!」のすっきり感。さすがだ。
喉から油が取れる感触は、薬かと思うほどだった。
これは飲み続けたら痩せるかもしれない……というのは期待しすぎだろうか。

知らないで損した

輸入ごっこをしたくて中国のお買い物代行サービスPanliを使ってみたが、送料の高さに辟易していた。
日本宛なのに欧米宛より送料が高く取られるのが納得いかず、交渉するもことごとく敗北。
どうにかならないかと考えていたら、実はよそのサイトなら最初から安かったというひどいオチ。
中国風なるところではきちんと日本(を含む東アジア地域)宛の送料が区分されているし、よりお手軽な料金のSAL便も選べる。
代行手数料や通関費用なども比較したが、どうも中国風のほうが有利そうだ。
・手数料が商品総額の10%なのは同等。
・通関費用が8元なのも同等。
・PanliではPanliアカウントに入金しておく必要があるが、中国風にはない(都度課金)。
・どちらでもPaypalが使える。
明示されていないので気がかりなのはPaypalでの決済手数料だが、よもや品代より高くなることはあるまい。
#お茶なんぞを買うと送料>>品代になってしまう(Panliでの現状)。
よし、次の機会はこっちを使おう。