翻訳の処理速度と処理能力

何か大事なものを犠牲にしてしまった気はするが、ともあれ問題の案件は終わった。
複数の打診や仮押さえは来ているが、もう調整不能に陥ることはない。
遊ぶなら今のうち、と言いたいところだが相手がいないのはご愛敬。


今回、何が問題だったかと言うと、根底にあるのは処理能力の概念である。
「この仕事いつまでにできますか」のことだ。
普通は、原稿の量を一日あたりの処理量で割った答えが相当する。
処理能力≒見積もり工数=原稿文字数÷一日あたりの処理量
ここで曲者なのが、一日あたりの処理量だ。
文の内容によっても変動するし、そのときの体調や外部要因によっても前後する。
それでもおおよそ自分の処理量は把握できているものだが、私の場合
公称処理量:原文5000字/日  -通常の1営業日で処理できる量
最大処理量:原文8000字/日  -夜までかかって処理できる量
限界処理量:原文12000字/日 -何らかの犠牲の下に処理できる量
である。
英文和訳をされている方は上記を2で割ってワード数だとお考えいただきたい。
「公称」でも人並みよりは速いほうだと思うのだが、いかがだろうか。
案件の規模が大きい場合は「公称」の数字で所要日数を見積もり回答しているので問題ない。
また、何らかの事情で飛び込み案件が発生しても、これぐらいの負荷ならまず耐えられる。
が、そもそも単発短期案件が多く、こちらから何日くれとは言えない場合がほとんどだ。
所要日数がこちらから提示できない場合は、引き受けるか断るかの二択にせざるを得ない。
それでもたいていの場合、最大処理量を連日でこなす羽目にはまず陥らないでやってきた。
最大はあくまで最大であり、訳あり短期案件の場合にしかまず発揮しない。
ところが、今回に限って、限界処理量を最初から求められていたのである。
尤も、長くない文章であれば早く出すことはできる。
1日や2日なら限界処理量を超えることも物理的には可能なのだ。
今回それが4日になってしまい(以下省略)。
そもそもの原稿量が聞いていた量の倍だったので、計算が狂うどころではなかったのだが。


教訓として言えることは、限界処理量はあくまで一日の限界だということだ。

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