田舎と産業と災害と事故と

いわき明星大学のそばを通りがかったら、高校生を満載したバスとすれ違った。
母によると、湯本高校が同大学に避難してきているのでその送迎バスなのだそうだ。
その近辺に避難してきている学校は他にもいくつかあるらしい。
だから3時ぐらいになると、送迎バスが何台も連なるとのことだった。


以下、何次情報になるか分からないので、記録としての価値は無視していただきたい。
いわき明星大学の所在地である中央台近辺は、施設損壊の類の被害があまり出なかった。
反して湯本高校の近隣は地盤沈下が激しく、同高校の仮校舎もまだできていない。
同大学が18の教室を同高校に提供している。
この事実は、同大学もまた被災者であることを示しているのだ。
入学辞退者が多かったから、提供できるほど教室が空いている。
辞退の理由は主に「放射能の心配」だったという。
同様に、平地区に所在する東日本国際大学も存亡の危機にある。
学生の七割以上が留学生だったのだが、多くが帰国してしまったそうだ。
大学が学生不足ということは、近隣のアパートも経営が立ちゆかないことになる。
こうして収入が削られ、間接的な形で被害を受けた人々もいるのだ。
目に見えて悲惨な生活を送っている人だけが被災者ではない。
私立大学もアパートもビジネスだと言われればそれまでかもしれないが、
原発リスクまで考えて立地を検討する発想など去年まで存在していたとは思えない。
とはいえ、ここまで間接的になると補償を要求するにも一筋縄ではいかないだろう。
誰かを責める気は起きないのだが、解決方法も自分にできることも思いつかずにいる。

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