違う年賀状

両親の年賀状を作成すべく帰省している。
素材集を母と一緒に選ぶところまでは例年と同じだった。
違ったのは何と、年賀状の本文。
「福島の人は年が明けたぐらいでめでたくないから」
刺さった。


母によると、今年(2012年分)の年賀状には祝詞を書かないのが流行だという。
言われて文字素材のページをめくってみると、確かに違う言葉が多く並んでいた。
「絆」
「心穏やかな一年になりますように」
「一日も早く元通りに」
新年を祝う言葉の代わりに、自らの祈りを書く年賀状。
添え書きで述べるのではなく、「あけましておめでとう」の代わりに祈りを述べ伝えるのだ。
こんな哀しい年賀状が流行っているのか。
晴れて新しい年を迎えられても言祝ぐのは不謹慎だというのか。
自分、そして読み手が(恐らく)新しい年を迎えられた幸せ、そのささやかな幸せを。
何につけ流行は追わない主義だが、こればかりは知らなかったことに罪悪感すら覚えた。
だからといってやはり追随したくはないのだが。
祝日ぐらい、素直に祝いたい。
できれば、大切な人と一緒に(ということ自体で傷つく人もあろうが)。

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