隣の芝生

知る人ぞ知る大御所に話を伺ってきた。
初対面ではないのだが、今に至るまでの経緯や仕事のバランスなど、新鮮な驚きばかり。
一方で改めて自分の珍しさを感じた。


手持ちの案件がなくなることはほぼなく、まとまった規模のものでも納期に余裕がある模様。
打診時の交渉で余裕を勝ち取るのかと言えば、さにあらず。
「断りたければ延ばしてって言うけど」程度とのこと。
たいていは先方から提示される時点で妥当な負荷だとか。
短期単発で回している自分とは世界が違う。
1日どのくらいを処理するかの比率は素直に頷けた。
大物案件の均等割≒定格出力の6割
外出などが入る前後では定格出力の8割程度に調整。
だいたいその位の配分で家族との時間も取れるようだ。
「他の分野を開拓するぐらいだったら、分野を変えず他の言語を開拓するかな」
「甘いっ!」
分野を選ぶ余地などない旨を話すと、苦笑どころか大笑いされた。
笑えないかもしれないが、笑うしかない現実である。
個人的には色々あって面白いという気持ちのほうが強いので問題ないが。
(後続志望者には考えていただきたいところ)
私の場合そもそも専攻分野がないのでちょうどといったところだったが。
大御所は「学歴も資格もなく」前職で担当した分野を今の専門にしている由。
むしろ前職で縁のある分野のほうが、よほど強固な背景ではなかろうかと思う。
職歴の面でさえ関連実績の積み上げがほとんどない身には羨ましいほどだ。
最初の翻訳業務受注までにあったものは「社会人経験」でしかない。
ただ、それがあってこそ今の自分があることも確かだ。
様々な業種の様々な規模の組織で様々な種類の実用文書を書いた実績はある。
恐らく学校では教えようのない文脈の取り方などが身についているはずだ。
それに今や開業してこのかたの実績もある。
引け目を感じるには及ばない。
やはり英日/日英と「その他の言語」では「世界」が違うのだと改めて感じた。
いいとか悪いとかではなく、ほぼ別物。
端から見たら同じかも知れないが、ピザと中華まんぐらい違う。
「こういう違いって面白いわ」とのことだったが、他にも興味を持たれる方はあろうか。
自分からぶちまけるのは控えておきたいところだが、訊かれれば話そうとは思う。

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