安心≠安全

手元には相当な量のトリカブト粉末がある。
色々あったが、これでようやく楽になれそうだ。


察しのいい方はご存じだろうが、附子なるれっきとした漢方薬である。
まともに入手しているので、致死性アルカロイドは低減処理されているはずだ。
とは言え、まとめて飲んでいいものではなかろう。
(かなりの確率で脳血管に影響が出る)
しかし何故かその説明がなかった。
処方医も調剤担当者も「1日3回、食前に」としか言わない。
まとめて飲むななどという基本中の基本は警告するまでもないということだろうか。
思考停止の好きな人たちは「漢方=無害」と信じているので些か危険を感じる。
あるいはそんなところまで気にするから神経痛など患うのかもしれないが。
長らく格闘していた原稿内容が安全衛生規定だった影響も否めない。
こちらは「そこまで縛ってどうするの」というほど細か書かれていたりする。
その割に判断基準は概ね「規定を参照」で、具体的な参照先が示されていなかったが。
いったい誰の安全のために書かれた規定なのか、と首をひねる箇所もあった。
会社が責任を負うためなのか負わないためなのか、必要なのか勝手なのか。
そんな雑念を払う間もなく訳出は完了したのだが、見直すと妙に納得した。
原稿には「安全規定」とあるが、目的は安全というより安心なのだ。
せめてここまで枠があれば、後は当事者が連携してどうにかできるだろうと。
しかし不思議と「安心」とは表に出して宣言できないものだ。
せいぜい不必要に疑われるだけで、所期の効果はまず現れないだろう。
ここで引き合いに出すのは不適切かもしれないが、知らぬが仏という言葉もある。
安全のためには言うべきでも、安心のためには伏せておくべき事柄もあるいは。

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