簡単ですから

つきあいの浅い会社に限って「難易度は低いので」と値切ってよこすことがある。
ここ1年は端からお断りすることにしているが、そもそも難易度とは何なのだろうか。
個人個人の得手不得手を超越する、客観的に定義できる指標があればよいのだが。


個人的には経験分野で苦手とするものはない。
専門用語が多くても丁寧に調べれば済むだけのこと、基本は一緒だと認識している。
実際に苦手なのは「素人の作文」だ。
整理されていない中に思いが詰まりすぎていて、そもそも原文を見るのがつらい。
読者に伝わってほしくないことも見え隠れするので、自分と闘わねば訳せない。
だがたちの悪いことに、それを理由に断ることはできないのだ。
そもそも原稿の内容を見てから発注してくれる取引先が数えるほどしかない。
見てくれても値切られこそしないが「難易度の低い案件」とねじ込まれるのが落ちだ。
あまつさえ「是非これは貴方にお願いしたい」とまで言われてしまう。
苦労が伝わっているのか実っているのかは分からない。
誰にかは分からないが指名されるということは、何かしら評価されてはいるのだろう。
幸か不幸か定期発注されるものまで出てきた。
もしかすると端から見たら得意そうなのではないだろうか。
それともやはり「簡単だから大丈夫でしょう」と思われているのだろうか。
いずれにせよ、この「難しさ」を順当に伝える術があればと思う。

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