鯛焼き部長と徒名が付いて2年ぐらいになるだろうか。
ただ気まぐれに食べ歩いているだけなので部長も部活も有名無実だったのだが。
ひょんなことから浅草で「部活動」をすることに。
雨も危ぶまれたが、なかなかの鯛焼き日和ならぬ行楽日和だった。
まずは浅草浪花屋で飲み物セットを注文。
ホットミルクは樹脂製カップで供されたため、ゆっくりと温かいまま飲めて好感触。
鯛焼きは店内限定の杏入り。
シロップ漬けらしいが、あんが甘いので酸味が強調されて感じる。
焙じ茶は足し湯も頼めるとのことで、思いのほかのんびりと雑談に興じた。
2軒目は写楽。
食べ比べ効果のせいか、あんの塩気に難色を示す部員も。
3軒目は忍者たい焼き。勢い、浅草の外周をぐるり食べ歩いたことになる。
焼き型だけでなく中身も奇抜なもの揃いだった。
先刻の塩味問題を受け、最初に買った私の反応を見てから選んだ人も。
変わり種に挑戦したのは1人だけだった。
包装紙には「かすたーどちょこ」とひらがなの判子が。
考えていた3軒を回ってしまい、さてどうするかと部会議。
御三家の一角、行列ができることでも有名な人形町の柳屋にも挑戦することに。
前の歩道を塞ぐほどの人影もなかったので喜び勇んで行ってみると、店内に列が。
狭い通路の最奥部で折り返し往復で20人ほどが並んでいた。
店の前まで来て諦め去って行く人もちらほら。
5~6匹ずつ焼いているようなので、あと5人となったところで喜んでいると。
「15匹、持ち帰りで」
しばし目が点になった。
有名店に行列ができるのには、こういう原因もあったのかと。
どこへ持って行くのか、そのお客は領収書も出してもらっていた。
冷めても美味しいとの評判なだけに、持ち帰り客も相当数いるのだろう。
そう言えば店頭にそれらしき紙箱がいくつか積まれていた。
浅草を出る時点では「そろそろ塩辛い味のものも」などと言っていた余裕も消滅。
ふらふらと通りの店を覗きつつ喫茶店ではないカフェを探すことに。
ゆっくりするには最低限でも仕切りのある禁煙席が要る。
水天宮駅前まで流れていってやっとそれらしきカフェを見つけた。
腰を落ち着けて1時間ほどの話題はほぼインコ。
カラフルな鳥種の話だったので1色と言っていいかは分からない。
奇矯で滑稽な動きを見せてくれるのはうちのこまに限ったことではないようだ。
みんな変だ。しかし、ゆえに、くすっと笑える。
もしかすると注ぐ眼差しによってはニンゲンもそうなのかもしれない。
何とも不思議な半日を過ごすことができた。
各位、またかまってください。