インコのいる毎日

朝食は7時、昼食は正午、夕食は18時にほぼ決まっている。
その3度の食後と15時には鳥籠を開け、こまを出して遊ばせる「放鳥」時間。
どこで時間を覚えているものか、15時の数分前になると呼び鳴きが始まる。


1回の開放時間はおよそ20分。食後は食器洗浄機の運転時間に合わせている。
運転終了の電子音が鳴ったら「ほら鳴ったよ」とつかまえて籠に戻すのだ。
鳥によっては自分で籠に帰るらしいが、この子はめったに帰らない。
ごく稀に、おやつの頻度が高いとき水を飲みに帰る。
おやつは小鳥の主食用に売られている雑穀で、専らごほうびとして与えている。
普段は完全栄養食らしいペレットを与えているので、雑穀でも嗜好品の役回りになる。
喩えれば主食がカロリーメイト、おやつがポップコーンといったところだろうか。
本来は何かしら芸当をしてみせたら与えるはずのご褒美。
教え込もうとした芸は覚えなかったが、代わりにごみ箱で用を足すようになった。
(聞きかじりだが、小型インコでこれができるのは珍しいらしい)
こちらのほうが実用的で助かるので、「所定の場所で用を足したら」おやつ。
面白いことに、特定のごみ箱でなくとも「所定の場所」として認識する。
実家のごみ箱は東西とも自宅のものと似ていないが、ちゃんと止まるのだ。
それでいて、ごみ箱として使われていない空き箱には行かない。
人間が両名とも自由業なので、生活リズムは意識しないと作れない。
そこに介在する第三者である彼との約束で担保されている面も多分にある。
朝寝坊しようにも明るくなれば鳴くし、仕事の進捗に関わらず定時には呼びつける。
どうやら彼にも約束を果たす、守らせることが一種の快感らしい。
なので忙しいときや困ることをされたときは「放鳥」を切り上げ終了してしまう。
重要なのは約束の時間に出すことそのものだからだ。
出てきて遊ぶのはかなり好きらしく、予定外でも開ければ喜んで出てくる。
それでもなおかつ、4度の定時には出さないと治まらない。
この容赦なく強制的な時間管理が、のめり込みの行き過ぎを防いでくれる。
ある意味、仕事の相棒と呼べるかもしれない。

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