『インコのおとちゃん』出版記念展を見てきた。
出版記念展ながら写真集に未掲載の作品もたくさん。
撮影された村東さんご本人もいらしたので、お話を伺うこともできた。
一枚一枚の写真にこだわりがあって、どれを見ても笑顔になれる。
しかも説明を聞くまで気付かなかったが、写真の配置にも仕掛けがあった。
会場の窓際には窓辺で撮られたもの、お手洗いにはお手洗い模型に止まった姿!
撮ってもいいとは言われながらも、気後れして会場内は撮れなかった。
ちょっぴり暗いカフェ照明の暖かみは携帯カメラでは再現できないだろう。
被写体「おとちゃん」がいかに陽気で忙しいか。
「おとなしい子なんですねと言われますが」とは信じられない。
家中をぶんぶん飛び回って随所でいたずらしてこそ、あの写真集になっているはず。
いたずらを止めたりけしかけたりする人間の姿も伺える。
全力で構って全員で楽しんでいるに違いない。
写真集作成の裏話もいくつか伺った。
飼い主としての気持ちと写真家としての主張とが衝突することも多かった由。
ある程度の普遍性や客観性がないと商品としての作品にはならないと。
さりとて被写体も同一、撮影者も同一なのだから、譲れない線はある。
編集とも印刷とも結構やりあったそうだ。
いいなあ。
世に出て人気を博していることが羨ましいのではなく(完全否定はしないが)。
伝えたいものごとがあって、伝える媒体があって、伝える力があって。