よくある話

見覚えのあるファイルが回ってきた。
昨日よそから打診のあった案件がMLVと呼べる規模の海外大手から来たのだ。


昨日の段階で対応を保留どころか無応答を決め込んでいたので妙なため息が出る。
500文字弱の試訳しかも不特定多数に打診(≒公募)。
採用の暁には某ゲーム作品の数万文字が待っているという無償案件だ。
(その数万文字がいくらという条件は提示されていない)
それを国内零細と海外大手がばらまいている。
要は業者同士も競争になっているわけだが、少なくとも1枚は駒が重複している。
数万文字の案件が意味するものはつかの間の安定稼働のみである。
経験上、複数の会社が公募をかけている競争状態で好条件は巡って来ない。
より安い方が依頼主からの受注を獲得するはずだ。
まして両社とも今回の試訳では納期が厳しい。
本番の納期も短めになるか、審査要件が甘いか、その両方すらあり得る。
察するに、ほぼ確実に「安い翻訳」でそのゲームができあがる。
それで誰が幸せになるの。
いかんせん、そういう商習慣を止める力は自分にない。
せいぜい小さな保身に走って不参加を気取るのがいいところだ。
よくある話なのだが、毎度のように歯がゆい。

“よくある話” への2件の返信

  1. 自分にも覚えが。
    こういうのを断れるのがフリーのメリットでもある…とはいってもやはりおっしゃるとおり歯がゆいですね、全体を見ると。

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