色々と間の悪かった今回の東京出張だが、帰りのバスの連絡はよかった。
回数券を買って少し待つだけで乗車できたので疲れずに済んだ。
ほっとして家に連絡を入れたところで問題発生、こまったちゃん登場。
出発時刻になってから悠然と現れたオバハン、「このバス○駅に止まるのん?」
空港側係員「止まるけど、もう出るよ」
オバハン「ちょ待ってぇな、乗して」
係員「じゃあ急いで切符を買ってホラ、んで預ける荷物あんの?」
オバハン「…」
その連れとおぼしき若い女性が券売機に並んだが、なんだかまごついている。
しばらくして本人が窓口へ行くと、上述の女性が荷物を預けはじめた。
係員「そっちの荷物は?」
若い女性「私は行き先また別なので…」
嫌な予感。
オバハンが切符と釣り銭を持ったまま乗車してきたときには南ターミナル発の定刻を2分ほど過ぎていた。
しかも、北ターミナルで乗客を拾いだしたタイミングで「ちょ降ろして」
…降りる?
目が点になっている運転手を尻目にダッシュで降りた彼女、北ターミナルの係員に何やら話しかけている。
彼女の声は分からないが係員の返事だけは聞こえた。
「え?荷物あるかないか分からん?んで戻るの?ってか預けたの?…え?娘が持ってった??」
先刻の女性はオバハンの娘だったらしい。
オバハンはその娘となのか携帯でしばらく話してから、バスのトランクルームに首を突っ込んだ。
「あ~、うちの荷物あったわ~」と言いながら再乗車。
「皆さんえらいすんません、お待たせしました」
……何をか言わんや。
すんませんと口に出しただけでもかわいいと思っておくべきなのだろうか。
それともその行動力を多少は見習うべきなのだろうか。
何とも逞しいことは確かなのだが。
……ああはなりたくない。