接待と言ってもゴルフはできないし、取引先相手でもない。
母がこよなく愛しているスマートフォン用ゲームだ。
私が同じシリーズのゲームを始めて2000日が過ぎた。
母は先行製品から遊んでいるのでもっと古い。
買い換えたプレイ端末の数も覚えきれないほどだ。
最初は家人のおさがりスマートフォンだった。
「デジカメより画面が大きい」
と母が羨むのでカメラ代わりに譲った代物。
ある日「これ、駅メモもできるの?」と訊かれた。
Androidアプリは問題なく起動できた。
そこから諸々のサポート開始。
まずはデータ通信用のSIM契約と初期設定。
「駅メモ」は兄がiPhoneで遊んでいるゲームだ。
なのでゲーム内の話は兄にも聞ける。
いかんせんAndroidやMVNOはお手上げらしい。
「あんたもやれば話がわかるのに」
と兄に言われブラウザ版を始めたのだった。
そのうち進め方も訊かれるようになった。
キャラクターの適否やらイベントの対策やら。
おさがり端末が限界のようなので買い換えることに。
大きな画面を所望だったのでタブレットにした。
いたく喜ばれたのはいいが、長持ちしなかった。
毎日10時間以上も使うのは高負荷なのだろう。
バッテリーが1年ほどでへたってしまった。
それでも次の買い換えまではよかった。
まだファーウェイ事件が起きていなかったからだ。
ファーウェイ事件で同社の新機種が買えなくなった。
代わりに使えるタブレットを探すのに難儀した。
何しろ用途が位置情報ゲームなのだ。
SIMに対応、測位に対応、そして携帯性が求められる。
前二者はハイスペック機にはあるが、小型機にはない。
片手で持てるタブレット端末はスペックが低い。
何台か外れくじを引いてしまった。
費用は母が負担したものの、苦情を浴びたりはした。
接待プレイというのは文字どおりプレイでの接待だ。
「駅メモ」シリーズは駅の位置情報を拾って加点していく。
各駅停車なら停車ごとに拾えば問題ない。
快速や特急などでは、通過駅の位置を把握する需要が出る。
Googleマップを見ながら適時「駅だよ」と声を掛ける。
距離の近い他路線の駅が拾える場合も教える。
「この駅は取っていいの、残すの?」
本来そのあたりの判断もゲームだと思うが。
数年前にはゲームを進めるための旅行計画までした。
初めてアクセスする駅は加点が大きいので未踏の地を探す。
観光もしたいだろうし、乗り換えは不安だろう。
「認知症予防活動お疲れ様」と兄は笑う。
確かに、好きなことで刺激を受けられたら効果はありそうだ。
気持ちが外に向く効果もあるかもしれない。
