メタ言語

目の前にある語彙を訳さず、そこに語られている事象を語れ。
そんなようなことを翻訳学校で学んだ記憶がある。
ある特定の事象(こと・もの)をずばりと言い表すのではなく、
その一歩手前の状態を示す、いわば「言葉の一歩手前」をメタ言語と称していたのだが、
試しにgoogleで「メタ言語」を検索したところ、上位に出てきたのは情報処理用語が多かった。
まあプログラミングも言語の世界と言えば言語の世界だが、なんだか感情的に釈然としない。
同じことを言っているような、そうでもないような、もやもや。
翻訳では新語や造語に出くわしたときの逃げ道?としてメタ言語の発想を考えることがままある。
……と非常に長い前ふりを置いたが。
本日の主役は「サラダ用調味料」。
ダイエット情報のページから健康素材を検索しているうち流れ着いた厚生労働省の記事(注)で、
身体に脂肪がつきにくい、マヨネーズの代用品を指していた。
久々に面白いものを見た気分だ。
そうか、マヨネーズってサラダ用だったんだ。
そのうち「お好み焼き・コナモン用調味料」が認可されるといいな。
ちなみに、無油分のドレッシング代用品たちは得てして「ドレッシングタイプ調味料」だったりする。
日本語っていろいろな方向に逃げられて便利だわ(半べそ)。
(注)その記事の名前はこんなにすごい
薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会
新開発食品評価第一調査会調査審議結果

国家的な問題と個人的な感情

日記に政治色はつけたくなかったのだが。
先週ごろから中国がすごいことになっている。
非力な一個人としては傍観するよりないのだが、生卵やペンキが飛び交うだけならまだしも、
「小日本、死すべし」には怖いものを感じる。
日本から渡航している民間人が被害に遭っているが、果たして彼ら本人達にそれほど罪があるのだろうか?
どうも背景には教育によって仕込まれた「恨み」が渦巻いている気がしてならない。
自虐的な日本の歴史教科書、という言葉をよく見るが
恐らく他のアジア諸国には「他虐的」な教科書があり「日本=悪」という図式で秩序の安定を図っているのでは。
そりゃ侵略戦争は悪いに決まっている。
でも「日本=悪」は正論なのか?
侵略や植民の経験を持つ国は日本だけではない。
他の国や民族も同じように糾弾されているだろうか?
そうであればよい、ということではないが、どうも過剰に強調されている気がする今日この頃。
いらんことする執政者が多いのも確かで、むしろ「一部執政者=無駄に悪」だと思っている。
報道に載る立場の人間こそ自重してもらいたいのだがどうしてこう無駄に目立とうとするものなのか。
おかげでかなりの数の民間人が被害に遭ってるのに自分達は謝罪しないのかい、皆さんに。
被害国はもとより、矢面に立つ日本人達にも。

確定申告?

帰宅すると翻訳、の生活が三週間も続いたので
暇な日(普通の日)の過ごし方を忘れてしまっている。
手持ち無沙汰なので「すべきこと」を探してみたが、
洗濯機を回したら家事は済んでしまったような気がしてならない。
とりあえずニュースでも見ようかと愛機を立ち上げる。
どうやら確定申告が旬の話題のようだ。
そういえば私も必要だったことを思い出す。
去年は翻訳での収入がウン十万円あったので
納税局の条件「給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の
合計額が20万円を超える方」にめでたく該当するのだ。
翻訳仕事の収入は雑所得として申告することにした。
給与所得と雑所得の組み合わせならば申告書Aで事足りる。
事業所得として申告する場合は申告書Bを使うことになり、
提出書類がやや面倒そうなのだ。
各社からもらった源泉徴収票と支払調書を手元に揃える。
経費は取っておいたレシートと領収書から計算しよう。
幸か不幸か数千円の黒字。
赤字だと何やらまた書類が増えるようなので、よしとする。
納税局のページで申告書Aを作成するのは簡単だった。
去年も使ったことがあるせいだろうか。
経費も合計額しか入力を要求されず、あっけなく入力完了。
印刷したらハンコついて郵送するだけ。
これでちゃんと表示どおりの還付があったら、
ちょっと儲かった気分になると思う。

最終調整

先月から続いていた論文翻訳にやっと出口が見えてきた。
とはいえ届いた原稿の全文を訳し終わったわけではない。
「あと44600字」と指定されていたので
多分その文字数に達したからやめようか、というところである。
間違って分量不足になっていると洒落にならないので、
念のためこれまで作業してきたファイルを別名で保存してみる。
いざ、TRADOSで「訳文の生成」を実行。
訳していない原文を十数頁ざっと削除する。
ここで「文字カウント」。3200文字ほど余っている。
「ページ設定」で1行あたり39文字と確認。
40字として概算80行、丸々2頁余りを削除した。
手加減の難しさを痛感。
ここで再び「文字カウント」すると、上限ぴったりの44800字だった。
我ながら何てぴったり、と思わないでもなかったが、
2頁分も犠牲にしているのだ、そう素晴らしい仕事でもないか、とへこむ。
ざっと全文を見渡す。
文末の引用符が2箇所で余っていた。
削除。44798字。まあいいか。

原稿到着

前日もらったメールでは、今晩20~21時に原稿が届く予定。
宅配便業者が早めに着くのではと無駄な心配をして
18時には会社を出た。
夕飯は菓子パンとビタミン飲料とヨーグルト。
何故かこの組み合わせで食べると気合が入るので、
私の中では翻訳仕事前の儀式となってしまっている。
普通に考えれば今日すぐ翻訳にとりかかることはないのだが。
というのも、原稿が到着して最初の作業はスキャンだからだ。
原稿が紙であれば一旦ひたすら画像として取り込み、
PDFであれば画面キャプチャを撮って保存し、
中国語OCRソフトで原文ファイルを作成することにしている。
原文ファイルはリッチテキストで作成されるが、
ところどころ間違った字が割りついているので要修正である。
スキャン結果は1ページごとに1ファイル作成されるため、
章ごとにまとめるついで、原稿と比較しつつ誤字の修正をする。
今回は原稿がA4で98頁と聞いているので、
画像取り込みだけでも1時間ぐらいはかかる気がする。
原文のはぎ合わせと校正には、だいたい1頁あたり30分。
素直に積算するとこれだけで6時間?
気が遠くなりそうな皮算用にぞっとする。
心配しつつも、ものが届かなければ何もできない。
時計が20時半を回ったところで、インターホンが鳴った。
いざ!と出てみると、「絨毯のお届けです。」
拍子抜けがした。
確かに取り寄せたのは自分だが、内心「まだいいのに」。
しかも絨毯がとんでもなく大荷物(に見える)。
運ぶのも骨なので、玄関に積み上げて行ってもらう。
そわそわ、いらいら、待つことさらに十数分。
やっと原稿が到着。
絨毯の箱の隙間から顔を出し、配達の人に目を丸くされる。
梱包を解き、封筒から原稿を出して、しばし固まる。
A3だ。
恐らく本を伏せながらコピーをとったのであろう。
事情はわかる。
が、何となくA4を期待していたので、スキャン回数が倍になった。
右頁と左頁で違う向きに傾かれては困るのだが、
どうしても厚みのある本を見開きコピーすると対称的に歪みやすい。
うちの中国語OCRは元画像が2~3度ずれただけでかなり誤認識するので
原稿1頁につき元画像1枚がほぼ前提条件なのだ。
愚痴っても代わりにスキャンしてくれる人はいないので、
粛々と読み込み開始。
……これ、ファイルサーバ機、そこで寝るなぁぁ!

吉報

件の翻訳会社から正式受注との連絡が届く。
中文和訳・土木・90頁強。
ちょうど会社仕事にひまがあるので手放しに喜ぶ。
工数を1ヶ月と見積もっているので、残業などしていられない。
むしろ原稿を会社に持ち込んで通読ぐらいするかも。

断る

重なるときは重なるもので、他の会社からも依頼が届く。
一番つきあいが古いところからなので心苦しいが、
物理的に無理そうなので泣く泣く断る。
せめてもの誠意として、間髪を置かず返信。
もしかすると本当に時間の都合だけで断ったのは初めてかも。