アフィリエイトしてみたいの

翻訳仕事に使っている道具たちの紹介を別ページに追加。
(カテゴリ「道具箱」からどうぞ)
いわゆるアフィリエイトだったり、そうでもなかったり。
稼ぐのが目的ではないので、仕事に無関係なものは出さない。
評価や感想は気に入らない点も書く。
多分こんなんでは小遣いにもならないだろう。
何か「これは」という掘り出し物が見つけられたらそれはそれで面白いような気もするが。

逃げられない

昼休みにメールチェックしてみると、見慣れた英語が踊っている。
香港の(だと思っていた)翻訳会社からの依頼メールだ。
何が見慣れているのかというと「rush job」。
ここからは急用しか頼まれたことがない。
1通目「15000語を木曜の9時まで、できる?」
返事「今日は暇ないの。ごめん」
2通目「どれぐらいならできる?半分?ちょっと?」
……ぃゃぃゃちょっと待ってよ。やりたくないんだってば。 
返事「できてもほんのちょっとです。今週は忙しいの!」
3通目「んじゃこれぐらい、いいよね~」
間違ってもやるとは言ってないのに添付ファイル付き。
しかも4ファイルもある……。
返事「これぐらいなら、9時までなら、何とか」
私、弱い。
交渉力まるでなし。
作業が追いつかない場合の保険として(?)ダンナに救援依頼。
夜7時頃、自宅マンションの階段にて携帯電話に着信。
一番のお得意様からだった。
担当者「今週のスケジュールはどうなんでしょう」
私「えぇと、今日と明日はふさがってるんですが……」
担当者「そうですね。ではメールしておきますので」
私「え、えぇ?」
担当者「確認ください。メールでお返事」
#担当者は本当にそう言っていた(日本人ではないので)。
自宅に到着。早退していたダンナに夕食を作る。
私「で、頼まれちゃったのね。中国語のほうも」
ダンナ「んじゃ英語のほうは僕がやりますか」
私「病人に悪いんだけど、お願いするわ」
中国語案件の原稿を見ると、内容が面白そうだった。
納期が短いのは1枚だけで、あとは今週中ならいいとのこと。
いいのか、こんなんで。
中国語案件については間違いなく真面目にやるけど。
英語案件は……私も一応やるが、間に合うかは自信がない。
最悪の場合ダンナにやってもらったものをそのまま提出することに。
ダンナ「断るの下手すぎ。まぁ面白いからいいんだけど」
……ぐっさり。だから私は英語は苦手なんだってば(落胆)。

担当者に救われる

昼下がり、携帯電話が鳴った。
「先ほどメールしましたが、確認していただけましたか?」
慌ててメールチェックし直したが、何も新着のものがない。
「ま、まだ…..みたいです」
「でしたら、もう一度お送りしますね」
今度は予備アドレスにも送ってくれたらしく、出先用のウェブメーラーで内容が確認できた。
大陸もの中国語の和訳依頼である。
PDFで話の概要は解るのだが、ところどころ読めない。
だめで元々、と思い「読みづらいです」と返信したところ、なんと相手(翻訳会社の担当者)がテキストで書いてくれるという。
これは大助かりだ。
多少きれいな画像を再送してもらえたら御の字だっただけに、文字にまでしてくれるとは望外の喜び。事務作業がなくなるのだ。
そのテキストが届いて、これまた心遣いにびっくり。
古語や成語にコメントをつけてくれていた。
いずれも調べれば判る程度のものではあったのだが、気を利かせてここまでしていてくれるとは。
ただでさえ下請けなのに、頭が上がりそうにない。

本当に来た

先日「ちゃんと取っておくから」と言われた香港からの仕事。
本当に発注されてしまった。
訳文の校正だから楽だろうと思っていたのが甘かった。
長い。50頁ほどのファイルが2つある。
ややこしい。ドル建てファンドの目論見書とその資料だ。
Tradosがフル稼働。
原文と訳文をつき合わせて、用語らしきものを抽出して、やはり見慣れた処理画面に戻すために原文を「翻訳」ごっこ。
ものがWordファイルで本当によかった。
紙だったりPDFだったりしたら2日弱の作業時間では無理だったと思う。
この会社には以前JPEGで紙スキャン原稿を送りつけられたことがあったので
後で思えば今回は幸運だったのだろう、と納品を終えため息。

哀しきすれ違い

今日は会社仕事でちょこっと出張。
隣県まで打ち合わせに出かける用事があった。
出掛けに自席でメールチェックしてみると、香港の会社から英文和訳「急ぎ」の打診。
文面からは対象物も納期も不明なので、とりあえず「検討するから教えて」の一言だけ返信。
心残りのあまり携帯からも十分おきぐらいに確認したが、なかなか翻訳会社からの返事が来ない。
妙にそわそわしつつ、長距離電車に乗る。
揺られること小一時間。
降りる寸前になって再び携帯から覗くと、添付ファイル付きの返信が入っていた。
納期は今日の深夜?
ただでさえ帰りが遅くなるのに受けられるだろうか。
ファイルを見なければ作業量が見積もれない。
幸い打ち合わせの時間までに余裕があったので、下車するなり駅前のマンガ喫茶に駆け込んだ。
「当店は会員制となっており、ご登録が」
背に腹は変えられないのでとっとと登録を済ませる。
いざ!と息も切れ切れにパソコンの画面を覗くと。
どうにか4時間あればできるかも、という微妙な量だった。
「深夜ってことは日本時間23時まで大丈夫?」とメールし15分料金と入会費の210円を支払って店を出る。
打ち合わせを終えて再びメールを確認すると
「返事ないから他の人にしちゃったよん」
……あれ?入れ違ってしまったらしい。
マンガ喫茶で確認したときはそんなメールなかったのに。
よりによって出張のタイミングで急用なんかよこすから。
と脱力のあまりため息が出た。
この悲哀も兼業ならではと言えないでもないが。
香港の担当者、まめなのか人情家なのか、「別件で校正の仕事ちゃんと取っておくから」とのこと。
英語圏の人でも気休めなんて言うんだろうか。

8時までに

午後4時ごろ、翻訳依頼のメールが来ていた。
いつもなら30分おきにはメールチェックしているが今日は珍しく会社仕事で忙しかったので確認は5時半に。
文面には「8時までに返答を」とあった。
気を使ってもらっているようで申し訳ない。
そそくさと受諾の返事を出す。
内容が送付状のようなもので、量も2枚。
最初からWordファイルだったので事務作業もいらない。
帰宅してすぐ、ちょこっと覗いたつもりが気づいたら終わっていたというあっけなさだった。
納品して顔を上げると、7時50分。
……。

国際化四考

●その一、勤務先のビルにて
お手洗いに席を立ち、ビル共用部へ向かう。
すると前からやって来た白人女性2人。
全く会話が聞き取れない。英語ではなさそうだ。
と、向かう先はお手洗いではないか。
あいにく個室は4箇所とも使用中。
「おぅまいがっ」
2人のどちらかから、ひらがなっぽい呟きが聞こえた。
席に戻り、はす向かいの人に報告。
私「絶対うちの人じゃないと思うんですけど」
相手「迷い込む場所でもないですよね、ここ」
かといって来る者ほぼ拒まずのフロアではある。
以前よそのフロアでエレベータを降りてしまったところ、
エレベータホールと廊下の間にセキュリティ装置があった。
●その二、中華っぽいもの屋にて
メニュー表を見ると、どうも定番以外の中国語があやしい。
「昼飯」が「昼飯」なのはともかくとして、「トマト丸ごとラーメン」は「赤玉麺」ぢゃないと思う。
せめて「赤」を「紅」って書いてくれ。
#「昼飯」は「午餐」が正解のはず
●その三、某スーパーにて(一)
細身の若い女性2人組。
片方は中国語で話しかけてくるのに、相方は日本語で返事している。
中国語「これは私が買うから」と私の後ろへ並びかける。
日本語「イイノ、イッショ」彼女は私の前で会計待ち。
中「払うの別々じゃん」
日「イイカラ、並ブカラ」
なんて日本語な日本語だ、と感心した。
いいから(よこせ)(さもないと)並ぶ(ことになる)から。
ざっと三つの要素を省いている。中国語ネイティブらしくない。
発音こそカタカナだが、立派なものだ。
●その三、某スーパーにて(二)
私の2人前にいた人も、どうやら日本人ではなかったらしい。
見た目ではわからなかったが、会計後お店の人に駆け寄ってきた。
店員「どうしました?レシート?」
男性客「すてき、すてっく」
店員「ステック?…..スティック?」
その店員さんがこれかい、というふうに割り箸を見せると男性客はニヤリとして受け取っていた。
言われてみれば箸はチョップスティックとかいうらしいがよく気づいたものだ、この人。
白人さんなだけで部外者と信じ込む私なんかよりよっぽど国際化できていると見た。

久々の受注

日中情勢のためか、気まぐれな旅行のせいか
ここしばらく翻訳仕事がなかった。
行く末を案じ始めていたところに携帯メールが。
一番ごひいきにしてくれている会社の担当者からだ。
今年に入って私の都合で断ってばかりだったので心証を悪くしているかもと気にしてはいた相手である。
たいした量ではないし、納期も逼迫していない。
この条件なら大丈夫、と携帯から返信したところ、PC宛にさっそく原稿を送ってくれた。
その文面が泣かせる。
「ぜひお願いしたいなといつも考えています。
 けれど、スケジュール上の問題で、なかなか適当な案件がなかったのです。」
ひ~っ、ごめんなさいごめんなさいっ!
引用元メールの差出人は中国語ネイティブの方である。
#と断らなければ誰も気づくまい、自然な日本語。
複数の意味で感動した。

ラウンジデビュー

ラウンジと言っても、夜のお仕事ではない。
うちの地下にビジネスラウンジなる部屋があるのだ。
仕事机が数台と、打ち合わせ机が数台。パソコンが2台とコピー複合機が1台。
ちょっとした事務所である。
自宅部分が閉め切っていたせいか暑いので、空調の効いている共用施設に一時避難した次第。
パソコンと紙資料を持参して、入り口側の卓を占拠した。
意外に人の出入りがあり、いまいち落ち着かない。
夫婦らしき二人連れがメールチェックうんぬんの話をしている。
間仕切りの向こうでは誰かがポリ袋をがさがさ探っている。
静かさでは誰もいない自宅のほうがましなようだ。
平日の晩なのでこんな感じなのだろうか。
退室しようと辺りを見ると、受験生らしき若い子がいた。
場所を変えるだけでも、勉強にはいいのかもしれない。

わかってくれない

土曜日。
父「バイトは大丈夫か。ちゃんとあるか」
きのう。
会社の人「仕事じゃあないんですよね」
……違う。違いますよ皆さん。
曲がりなりにも私は翻訳者。
やや曲がりすぎてる気もするが。
でも翻訳業はバイトでもなければ趣味でもない。
事業。
……どことなく後ろ暗いのは何故だろうか。