行きつけのパーマ屋さんでは、「最低限度の愛想があること」を採用基準にしているとか。
接客が必要な仕事であるからには無愛想ではいけない、コミュニケーションは大事とのことだった。
「僕たちが作るべきものは商品なんです。作品しか作れない、作りたくない人は山に籠もってアーティストやってりゃいいんですよ」と穏やかな口調でオーナーが語っている。
一方的な押しつけが許されるのは良くも悪くも「作品」に限るが、手に職のある人間はそっちへ走りがちだから意識して「商品」に戻ってこないと……共感できるような、耳に痛いような。
いっぽう、彼の知り合いには美男美女しか採用しないという人もいるという。
「技術はなんぼでも教えてやれるけど、顔は作ってやれないから」だそうで。
客商売だしそれもありかな、とは思うものの、何だか他人事なのに聞いていてやるせない。
セットが完了したお客さんをちゃんと引き立てられるかしら、とか。
若者が万一そう言われて面接で落とされたら立ち直れるのかな、とか。
愛想が優先の彼にしろ、顔が優先の彼にしろ、共通しているのは「技術なら教えてやれる」というところ。
そう言えば昔いた会社でも「実務なら教えてやれる」なんてのたまう先輩がいた。
……となると、新人に求められるのは「素直にきちんと話を聞くこと」が一番なのかもしれない。
簡単なことのようでいて、実際には感情やらしがらみやらがあって意外と難しいし。
やっぱりe-taxは怖い
確定申告をしてきた。
還付申告は月初から受け付けというので、税務署が混まないうちにと出向いた次第。
東京に住んでいた頃はe-taxを使っていたのだが、ここ数年は国税庁の確定申告書等作成コーナーで作成したPDFを印刷して税務署に持参している。
歩くと小一時間かかるのだが、電車やバスを乗り継いでも似たような時間がかかるので往復とも歩いた。
税務署の確定申告会場は予想に反して大盛況。
窓口の人々はほぼ全員がマスクをしていた。それが正解に見えるほどの人だかり。
大半は相談コーナーに流れていたので、提出そのものには5分もかからなかった。
出口で手をアルコール消毒して速やかに退散。
その後、野暮用で市役所に行くと、税務署どころでない混雑ぶりだった。
順番待ちをしていたところ、目的地でない窓口のほうから穏やかでない会話が聞こえてきた。
住民基本台帳カードを使ってe-taxを使いたいがうまくいかない、という市民と窓口の会話。
(住民基本台帳カードを持っていても公的個人認証を受けないとe-taxは使えない)
市民「このカードで個人認証んとこログインしようとすると何やらいうエラーが出まして」
窓口「調べてみたらカードのICチップが逝っちゃってますわ。磁力か何か……」
市民「いやこの財布に免許と一緒に…って免許も逝ってもうたんかいな」
窓口「ウチに言われても知りません」
市民「……んでこれ、修理できますかね」
窓口「んにゃ作り直しです、えぇ再発行ちうことで。認証再登録と合わせて1000円かかりますわ」
市民「何やそれ、年末に作り直したばっかりなのに」
お怒りの様子。ごもっとも、と端から言いたくなった(が黙っていた)。
住民基本台帳カードが正常かどうか、件のログインを試すまで知る術がなかったらしい。
ところが、持ち帰ってからの不具合は「発行機関のせいではない」「その後の扱いのせいでは?」。
そういう信頼性の代物を作り直せと言われても……1000円の出費より手間暇が痛いことだろう。
確かカードの発行は即日で済ますことができない。
数日後に本人が窓口へ取りに行く必要がある。
それでまた使えなかったら……明らかに税務署へ行く方が楽だ。
とりあえずこの町に住んでいる間はe-taxをやめておこう、と思った次第。
不人気案件
某大手翻訳会社から「29日の件、誰もやるって言ってくれてない」とのメール。
29日の件とやらをよく覚えていないのでその続き(引用文)を見ると、
250語の英文和訳、Wordfast指定だった。
それではやる気がしないというものだ。
そもそもWordfastを使える翻訳者が何人いるのか知らないが、私は持っていないし急いで買う気もない。
指定される案件が多いようなら検討しようか、ということで様子見を決めている。
(同じ態度の人が多いのではと勝手に思っている)
ましてこの会社の報酬は国内ほど高くない。250語ではせいぜい20ドルだ。
もし他の案件を締め日までにもらわなかったら振込手数料で赤字になる危険性すらある。
それだけのために国際取引の手間を掛けるほどアレな日本人はそうそういないのではと思ってしまう。
だから引き受けようとする翻訳者がいなかっただろうに、条件変更なしでは……。
まさに「こちらにも選ぶ権利ってものが」という好例。
特効薬?
やや久しぶりに口内炎を患った。
いつもならプロポリス原液を綿棒で塗りつけるのだが、今回は場所が悪く届かない。
過剰気味にビタミンを摂取しても一晩では治らなかった。
そう言えば口内炎には洗口液だと母から聞いたような気がする。
早速というほどすぐでもないが、就寝前に洗口液を使ってみたところ……。
治癒とはいかないが、炎症はひいた感じがする。
薬ではないのに、特効薬なのでは。
アリ型迷惑
ゲーム翻訳のしすぎなのだろうか。
「ありがた迷惑」を我がATOK2007に変換させたら「アリ型迷惑」になった。
……これ、社内統制についてのアンケートなんですけど。
しかも会社の「ほうしん」が「砲身」に。
確かに最近SFものをやっていたりしたので自分のせいだと言えなくもないが。
IMEの罠
せっかく本業にとりかかったというのに、働けど働けど何故か一向に進まない。
いつもなら全体の二割ほど翻訳が進むと入力効率やら何やらが上がるはずなのに……
入力効率、ではっとして画面の右隅を見ると……日本語入力がIME2003だ。コイツノセイダ。
私は通常ATOK2007を使っているので、よく使う文型はすらすら出てくるはずなのだ。
何だかいつまで経っても変換を覚えないなと思っていたら、IMEが違うのでは致し方ない。
恐らく先日Officeの入れ直しをしたタイミングで勝手に選択されていたのだろう。
ATOKも変な逐語翻訳なんぞ対応しなくていいから、こういう時に出しゃばる機能を搭載してほしい。
マア相手ガMS様ジャドウシヨウモナイノカモシレナイガ。
待ちぼうけ
月曜日。
大手A社「1週間ぐらいの規模のやってくれない?」
私「いいですよ」
火曜日。
A社「今晩か明日になりそう」
私「そうですか」
水曜日。
夕刻までA社からの連絡なし。
中堅B社「1週間ぐらいの納期でお願いが…」
ここで迷う。
A社の案件とかぶったら相当大変なことになる。
放棄や再委託は選択肢にない。
でもB社とは仲良くしておきたい。
私「いいですよ」
数時間後
A社「流れましたごめんなさい」
木曜日。
B社からの原稿到着に備え待機するも空振り。
B社「ごめんなさい、明日になります」
金曜日。
待てど暮らせど……
日の入りも近い5時過ぎに、やっと原稿が到着。めでたしめでたし。
こういう(待機)時間のうまい過ごし方、求む。
PayPalに激しく振り回される
仕入先から、「PayPalの登録情報がウチのと合わないから発送できない」と連絡があった。
商品代金はPayPalで決済できたのに、手数料の決済にてこずっているらしい。
その連絡メールに「送付先住所を登録してくれれば大丈夫」とあったのでそのとおりにしたのだが、果たして数時間後に来た連絡は「住所も名前も合ってないよ!」だった。
全く現象が分からない。
ヘルプを見ても何も言及されていない。
PayPal上の名前と仕入先に通知されている名前が違う、というのはなんとなく分かる。
ネットショップでの代金決済に使うべく、PayPalのアカウントを「ビジネス」として登録したので、PayPal上の名前がショップ名である「中国茶のお店 茶舗(ちゃぷ)」になっているのだろう。
仕入先には個人名で登録しているので齟齬があるらしい。
で、問題なのはここから。
PayPal上の名前を個人名に修正することができないのだ。
致し方なく、アカウントを「ビジネス」から個人用である「プレミア」に変更するよう申し込んだ。
個人事業主が個人名で商売するのってそうそう珍しいことでもないはずなのに、「プライバシー重視」のPayPal様はそう卸してくれなかったらしい。
人はどこまで見た目なのか
交番のお巡りさんが大家さんを連れて「定期巡回」とやらに訪れた。
フリースのオフタートルに半纏を引っ掛けて応対したところ「お休みのところすいません」。
……否、仕事中ですがな。
一通りの質問に答えると、やはり去り際に「ではごゆっくり」。
ゆっくり仕事してられんっちうに!
そりゃまあお休みっぽい格好ではあったのだろうが、髪も整えてあったし顔も薄化粧はしていた。
いけなかったのは半纏だろうか……ぬくいのになあ。
一方、同業者の集まりに出てみると上記の格好すら普通ではないかと思える景色だった。
流石に半纏こそ見かけないが、半袖Tシャツに穴あきデニムだったり、スニーカーにダウンジャケットだったり。
私は曲がりなりにも人前に出るのだから、それなりに意識した服装をしていた。
それが逆に少し浮いていたような……皆さん「仕事着」のまま出かけていいんですかいな?
気遣いの応酬
先日の救援物資に返礼をせねば、と思いつつ多忙で贈り物を探せずにいた。
相手の方が目上なのは勿論、裕福でもある。
下手なものを送って迷惑をかけるのでは本末転倒だし、何もしないでは母の顔をつぶしてしまう。
(所帯を構えたいい年の娘がお礼の一つもできないでは、ねぇ)
本業が落ち着いて、いざ何か探そうかと思ったが名案が出ない。
ずるずると保留するうちに忘れてしまうのが一番いけないので、いささか手近ながら通販のおかきを送った。
母が持って行ったときに好評だったと聞いて、無難が一番かと判断したのだが……
その礼状が来た。
「気を遣うので今回限りで」とわざわざしたためてある。
意図は分かるが、どうしたものか分からない。
田舎の親戚ぢゃあるまいし、顔を見せれば孝行などという関係ではないのだ。
何か厭味なく効果的な恩返しの方法はないものだろうか。