受注できるか読めなかった大型案件が、昨日になって正式発注された。
翻訳会社の説明によれば原稿は今日もらえるはず。
さて、今日のいつだろうか。
待てど暮らせどメールが来ない。本当に日が暮れてしまった。
間によっては割り込みになる他社案件を引き受けて作業の合間にメールチェック。
やはり受信トレイに新着はない。
ところがふと迷惑メールを消そうかと一覧を見たら、……ある。
これまで一度も迷惑メールに分類されたことのない会社からなのに。
誰かが間違って分類したとも思いがたい。
「迷惑メールを解除」して添付された原稿を見ると、うっすら分かった。
添付のZIPファイルがウイルス検査できないから「迷惑」だったらしい。
パスワードのかかったファイルだったので中身が見えなかったのかは不明だが、
いずれにせよ危うく一晩見過ごすところだった。
カルチャーセンターの中国語教室
春に漢語水平考試を受けてみたところ、聞き取り能力のなさに愕然とした。
まぁたかだか半年の留学で一生ものの語学力がつくわけはないし、それから十年も経っているのだが。
総合成績は「二年間留学した者の最低レベル」だそうなので、ぼちぼちなのだ。
読解やら文法やらはほぼ満点だったりするので、明らかに聞き取りが足を引っ張っている。
そこで一念発起?今月から某カルチャーセンターの中国語教室へ通ってみることにした。
毎週水曜日に1コマずつなのでたいした学習量でないことは自明だが、「毎週」がいいかとは思う。
教えてくれるのが大学講師をしている先生というのも魅力に感じた。
かくして先週と今日、「上級中国語」に出席してみた。
・受講者の平均年齢は私の倍ぐらい。15人のうち同世代は3人?
・半分以上の人が電子辞書を持ち込んでいる。
・以前から通っているらしき人々の教科書には蛍光ペンやら鉛筆やらでおびただしい書き込み。
・教科書の難易度は大学の中国語II程度?辞書を引かなくてもすらすら読める。
何だか懐かしいような遠い世界のような違和感を覚えた。
語学の授業には辞書がつきものだし、紙の辞書がかさばるのも道理。
平日の日中に時間が取れる人が親世代であってもおかしくないと頭では分かるのだが。
なにやらいわくいいがたいものが漂っているというか淀んでいるといおうか。
「はい、そこの訳お願いします」と指名されたはいいものの。
訳文はとっくに脳内でまとまっていたのに、原文と同じ順序で直訳調に再生するのは難儀だった。
そもそも学生の頃から直訳は苦手だった(ので英語の成績はいまいちだった)ぐらいなので、
逐語訳っぽい訳文の読み上げのような答え方をしてしまい、周りに変な顔をされた。
……とか考えるのは自意識過剰なのだろうか。
これがプロの日本語かいな?
普段お世話になっている翻訳家向けソフト、TRADOSは数年前SDL社に買収された。
それ以来、年に数回SDL社からキャンペーン案内のようなものが来るのだが。
翻訳者の皆様へ
来たる9月30日(火)のインターナショナル翻訳の日を祝して、私達は専門用語集の管理について、アンジェリカ ゼファスとともに専用のウェビナーと特別な提案をご用意いたしました!
こんなひどい日本語、プロが書いたとは思えない。
たとえ神聖不可侵なる原文があって、めいっぱい素直に忠実に訳出しようと努力した、としてもだ。
よりによって配信の相手はプロの翻訳者のはずである。
我々(翻訳者)はツッコミを期待されているのだろうか…?
ちなみにSDL社は翻訳会社である。
副業ふたたび(おかわり?)
日曜に電話が鳴るとは珍しいと思いつつ出ると、例の先生からだった。
例に倣って話も唐突、かつほぼ既定事項。
夏に手伝っていたデータベース変換の規模が拡大したとかなんとかで、
「Accessのバージョンいくつだっけ?1GB制限あるやつ?」
ありますが何か。(1GB制限:ファイル容量が1GBを超えると操作が利かなくなる)
普通、フリーランス翻訳者がAccessなんて持っている方がむしろおかしい。
翻訳仕事に使う機会なぞ全くないし、会計管理にも専用ソフトがあるので出る幕はない。
「ま、難しいことはよく分からないからうまいことやって」
そう来ると思いましたよ、ええ。
「DVD何枚か送るから、住所メールして」
引っ越しましたハガキをいちいち探せと言うほどケチでもないのでメールすると、
その返信で「10GBぐらいあります」……10GBって。
どのぐらいの量かというと、私のここ5年間の翻訳仕事全部の4倍以上ある。
元データのテキストだけで10GBということは、作業時に必要な容量は軽くその倍はあるはずなので
俄にHDDの容量が心配になった。
愛機本体のHDDだけでは心許ないので、外付けHDDを持ち出しておもむろに大掃除。
癒されない痛み
肩こりが苦痛になってきたので中国整体院なるものを訪れてみた。
似通った名前や業態の店が密集した地区だったので迷子になったのはご愛敬。
問題は、余りにも痛い(←過去形ではない)こと。
帰ってきた今でもその指の跡が痛いのはもしや内出血?
私を担当してくれた人は日本人らしかったのだが、「痛い」と言っても「そうですか」で続行。
過剰に無口で、こういうところによくある「どこそこが悪いんですね」の解説もなかった。
全身あちこちが悪かったのか、痛みに過敏(我慢がない)のか、一体どうなってるんだ私。
ふと、痛さのせいで全くリラックスできなかったことに気づく。
当初の目的は肩こりの緩和であって別に癒しは求めていなかったと思うのだが、
意外にないと不満なものなのだな、と他人事のように眺めているところ。
理系な美容師
美容学校に理系も文系もないのは百も承知の上。
敢えて野田にあるact Acorsの吉岡さんはいい意味で理系だと主張したい。
大阪近郊で美容室を探している「美容室でのおしゃべり」が苦手な人には全力でおすすめ。
・すばらしく手際がよい
動きに無駄がなく、カットの手さばきなどは見ていて飽きない鮮やかさ。
全く迷わず鋏を進めている感じがする。
・わかりやすい言葉で受け答えしてくれる
髪型の変更提案をしてくれたのだが、難解な用語が全くない。
「ここまで切って、ここからこう出します」と鏡で分かりやすく説明してくれる。
素人でも理解しやすく、後で検証することさえ可能。
手入れのしやすさを気遣ってくれる
リンク先にも紹介文があるが、
「ここは切る」「ここは残す」の判断材料に手入れのしやすさも入っている。
簡単なセット方法やアレンジも教えてくれた。
・気取っていない
たまにいる(そしてとても苦痛に感じる)人好きぶりっ子な感じがしない。
挨拶程度のやりとりはするが、薄っぺらい会話をふってこないでくれる。
かといって気まずい沈黙が流れたりしないので安心できる。
結論:一人旅は物足りない
地下鉄の始発とリニアを乗り継いで浦東空港へ。
今回は本当に辞書を買い込んだだけで旅行らしいことは何もしなかった。
雨に見舞われたこともあるが、やはり連れがいないと面白みがない。
食事やら買い物やらの時間が勝手にできるのは楽と言えば楽ではあるが、
それ以上のものがない。
今回は上海航空を利用したのだが、思いのほか対応がよかった。
チェックイン開始予定時刻より30分も早くカウンター前に着いたのだが、
すでに受け付けを開始していた。
搭乗案内もバス移動のためか予告より20分ほど早く、待ち時間が少なくて快適だった。
尤も離陸許可がなかなか出なかったので早く出たり着いたりはしなかったのだが。
復路便は往路便より日本人しかも団体客の割合が高く、無駄に寂しかった。
普段着で歩く上海
余り日本人らしすぎるいでたちは防犯上の不安を感じる。
しかしある程度きちんとしていないとホテルに怪しまれかねない。
ということで上は普段着のニット、下はぴったりめのブーツカットパンツを選んでみたのだが。
思った以上に周りと同化してしまったらしく、行く先々の店員から上海語で話しかけられる。
聞き取れずおどおどしているとようやく標準語に直してくれたのが何人いたか。
ホテルにチェックインするときはすかさず「ちぇっくいんぷりーず!」と自分が外国人であることを強調。
外資系のせいか応対は英語でしてくれた。ぃゃ中国語でいいんだけどね、標準語だったら。
ホームページに日本語版があるからといって日本語要員がいつもいるとは限らないらしい。
朝昼兼用の食事は中山公園駅すぐのマクドナルドで摂った。
なにぶん一人で飲食店に入るのが苦手なので、どうしてもこういう店に頼ってしまう。
特に味の冒険を怖がる訳でもないのに勿体ないと思いつつ、注文したのは「チーズたまごバーガー」セット。
バーガーとは言うものの肉は入っていない(抜けと言ったわけではない)。
目玉焼きにとろけたチーズが乗っていて、ハンバーガー用のパンで挟んである一品。
決して不味くはないのだが、マクドナルドというよりネイサンズの味だった。チーズのせいか。
ちなみに100円マックのような商品群もあった。6元マック。ほぼ100円。
品揃えはチーズバーガー、チキンフィレオ、マックラップチキン?
時間帯が朝マックでさえなかったら6元マックのほうがよかったかもしれない。
市内の移動はもっぱら地下鉄を使った。
ホームにはご丁寧に「下車位置」と「乗車待機位置」がそれぞれ明示されているが、
誰もが平然と「下車位置」に並ぶ。人が降りる前に乗る。割り込む。相変わらずだ。
路線が増えたり切符がICカードになったりと地下鉄は変わっているのだが。
留学当時より混んでいるのは豊かな人が増えたのだろうか、気のせいだろうか。
かつては庶民はバス、小金持ちと外人は地下鉄やタクシーだった気がする。
そう言えば空港からのリニアモーターカーもほぼ満員で、中国人が多かった。
中国なんだからそれで当たり前、という感覚はない。
数年前に体験乗車したときは空席が多く、しかも白人だらけだった。
30kmを8分(拘束時間は20分弱)で移動することに40元も50元も払う人がこんなにいるとは。
上海の人は変わったのだろうか、そうでもないのだろうか。
巨大な書店
私が上海を訪れる目的は、以前から決まって本の購入である。
特に今回は他のことをする気がほとんどない。
旅好きな私が我ながら珍しいことに余り出歩く欲を感じないのは
入国時の地下鉄で通勤ラッシュにまみれたせいだろうか。
今回はいつもの上海書城ではなく、中山公園の龍強書城なるところへ行ってみた。
紹介記事によるとだいぶ広そうだし、なにしろ地下鉄駅に直結のビルだというのがうれしい。
大量に買い込むことが予想されているだけに、駅から遠いのは避けたいところ。
入ってみるとBGMは何故かELT(もちろん日本語)だった。
日本人からすると今更といった感のある曲目だったが、意外と静かな雰囲気に溶け込んでいる。
売り場も広いが通路も広い。立ち読み?の人が足を伸ばして座っていてもぶつかる心配がなかった。
フロアの中程には休憩用の椅子まで用意されている親切さ。
店員さんもお客も「文明的」で、落ち着いて店内を散策できた。
しかし探しても探しても目的の代物が見つからない。
英漢辞書だけでも200冊ぐらいあるのだが、どれも語学学習用の趣で仕事用のそれではないのだ。
諦めていつもの本屋に行こうかと思い始めた矢先、目の前に階段を発見。
中二階構造になっているらしくもう1フロアあったのだ。
科学技術の、工業の、電機か機械、と訪ね歩いてようやく発見。
一冊でも手に取るのを躊躇する分厚さの専門用語辞書。
電機と機械が一冊になっているらしい。
ついでに科学技術全般のものと化学のものも探し出した。
あいにくシリーズはばらばらで対訳が日本語だったり英語だったりするが
解釈のヒントになればそれで満足なのでそのまま買い込む。
三冊の辞書を抱えてそのまま生活書あたりを見ていると、
店員らしき男性がカートを差し出してくれた。
両手が空いたのと心遣いが嬉しかったのとで気分よく薬膳やら人物伝やらを物色。
流石に何でもしょって帰るわけにはいかないので家庭料理と自己啓発の本を買うことにした。
10年ぶりの関空
電機、機械分野に特化した専門用語辞書が欲しくなり唐突に上海旅行?を手配した。
工業用語辞書と情報、通信分野の辞書は手元にあるものの、
どうも需要として大がかりな電機やら機械やらのほうが多いらしいので買い足さねばと思った次第。
お気に入りの辞書とお揃いで買おうと思ったら大荷物必至なのでほぼ空のスーツケースを用意した。
大学を出て以来ずっと東日本に住んでいたこともあり、関空を使うのはちょうど10年ぶりになる。
真新しいラウンジができてみたり、よくわからない会員優待制度ができてみたりと時代を感じるものの
これがかの有名な閑古鳥か!というほどの空きようが一番の驚きだった。
いくら夏休み期間を外した平日とはいえ、施設のどこにも行列ができていない。
そば屋は一人で入っても厭な顔ひとつされず、隣の席は空いていた。
手荷物検査と出国審査を合わせても10分とかからなかった。
羽田(の国内線)の手荷物検査より係も少ないが乗客も少ないのだ。
あるいは搭乗便の遅延のせいで混む時間帯を外れた幸運もあったかもしれない。
それにしても。出国手続き後に入ったラウンジは独占状態。
ラウンジでない待合い席にも人影はまばら。
何だか心配と言うのもおかしいが、流石にがらがらすぎではないだろうか……。