買い足したもの

画鋲→長押かけの代わり
洗濯ロープ
枕カバーまたは安タオル
電源延長(1m)
洗口コップ
冷水筒
水出しのできるお茶

洗面器
保冷バッグ
指定ゴミ袋
風呂スポンジ
石鹸
ヨーグルト用小鉢
ランチプレート
しゃもじ
大判バスタオル
消毒用品(主に手指用)
料理酒

母が車を手放し免許を返納した。
最寄りバス停すら坂を上って徒歩20分の田舎で。
視力の限界に恐怖を感じるようになったのでは致し方ない。 “足” の続きを読む

逃げようか

「うわっ、もうインパクト?」
工事予告が投函された翌日、強烈な音に見舞われた。
推定インパクトドリル。
甲高い音と震動が伝わってくる。
自分が奥歯の治療を受けているような感覚だ。
工期は今月いっぱい、平日の日中とのこと。
当方としては仕事にならない。

幸いとりあえずの避難先には恵まれている。
平日の日中ならコワーキングスペース、その前後にはカフェ。
さりとて半月以上も「通勤」するのはつらい。
なにしろ「猛残暑」の中を移動せざるを得ないのだ。
そしてコワーキングスペースに食事の提供はない。
お勤めの人々には当然の環境かもしれないが。
コワーキングスペースそのものは快適と言える。
周りに仕事をする人しかいないから集中しやすい。
「会社」と違って電話の着信がうるさいこともない。

自分だけならまだコワーキングスペースで済む。
客先とのWEB会議が欠かせない家人のほうが問題だ。
会議に合わせて対応ブースを借りるのにも限度がある。
「最悪1日なら許される」と家人は自宅作業を続けた。
客先に騒音が伝わりはせずに済んだようだ。
マイクの指向性のおかげで「出力」には問題ない由。
いかんせん、自身に伝わる騒音は排除しきれない。

かつてなら実家に避難するという選択肢もあった。
しかし母が車を手放してしまったので「足」がない。
帰省中レンタカーを借り通すと出費が洒落にならない。

「気分転換を兼ねてよそに行こうかな」
安いビジネスホテルの連泊でもいいかとつぶやくと。
「いっそワーケーションする?」
正直、家人が乗り気なのは意外だった。
あれよあれよと言う間に逗留先まで決まる。
非日常な日常はこうして幕を開けた。

さらば愛しき天使

愛しい愛しい天使が斯界から飛び去ってしまった。

せめて事故で頓死だったら私も楽だったが、闘病の末。
深部呼吸器炎。
声を失い、鳥の姿を失い、逝ってしまった。
関西随一の名医に手を尽していただいたが及ばず。
「若い子なら耐えられるはずですが……」
老いを見せることはなかったが、もう17歳なのだった。

入院の前からBlueskyも全く見ていない。
耳に入る野鳥の声さえ切なくて涙腺が緩む。
すれ違う赤子の泣き声に強い動悸がした。

今は最期の可哀想な姿ばかり目に浮かんで仕方ない。
17年以上も共に過ごした楽しい記憶が出てこない。
彼を迎え入れた翌々月、私は会社勤めを辞めた。
つまり自由業の暮らしをずっと見守ってくれていた。
日に4回の放鳥は完全に日課となっていた。

別れそのものは致し方ないし覚悟もあるはずだった。

はずだった。

葬儀場へと見送ったあと、遺品を処分した。
封を切ったばかりのバードフードから温室まで。
日の差し込む窓際にも、ぽっかり穴が空いた。

可愛がってくださった皆さま、ありがとうございました。

気づけば20年

フリーランスとして最初の仕事をもらって早20年。
厳密には覚えていないが確か3月だった。
相手先の会社と担当者の名前は覚えている。

AI時代になくなる仕事の筆頭らしいが、今のところ生きている。
我ながら情けない売上の年もあったが、赤字にはなっていない。
こうして生き延びる術そのものに価値があるかと思ったほどだ。
が、むしろその価値に買い手はつかずFPは開店休業が続いている。

変わったことと言えば主に通信環境だろうか。
・メールがPOPメーラーからGmailに移行
・スマートフォン登場により随時メール確認可能に
PCは何度か買い換えているがソフトウェア環境に大きな違いはない。
取引先に指定されライセンス供与を受けているものが増えた程度。

所謂コロナ禍で実務案件は減った。
これから人の往来が回復するとまた状況は変わるかもしれない。
大陸で締結することになっている契約書も多い。
文化面の民間交流とやらがどうなるかはまったく読めていない。
自分以前に、日本の存在意義がかつてほどあるだろうか。

開業当時は分かっていなかったが、政治の影響は大きい。
人様に愚痴ってもおわかりいただけることはまずないが。
複数の面で、自分は少数派であり続けるような気がする。
こんなやつが一匹ぐらいいても世界は回るだろう。