雑技を見に行く。そう、お茶の間でおなじみのあの”上海雑技団”をだ。

一輪車あり、軟体芸あり、バック宙なんてざらにありありの公演が一時間半。
席が前の方だったので、紐が独楽をこする音まで聞こえて感動した。
これだけ素直に喜ぶ時間が持てたのは、いつ以来だろう。
やっぱり生は違う。これだけでも中国に来た価値を感じてしまうほどだ。
派手で器用で律義な雑技団の面々に、何となく励まされた気がする。
これだけできるんだから人間ってすごいよ、と思ってしまう。
道を見つけ、舞台に立つってこういうことなんだな、と勝手に納得した。
何でもできると思っていた子供の頃にこれを見たら、人生が違っていただろう。
現実に帰り、上海の道路を横断する。中央分離帯をまたいで乗り越える。
私にできることって何だろう。私の道ってどんなだろう。
今から考えたんじゃ遅いんだろうか。何なら間に合うんだろうか。
そろそろ一つの答えにいきつく時間のような気もするが、まだ焦りたくない。

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