遂に「昇段考試」開始!のっけから二科目。

今週は四日連続で「昇段考試」があり、代わりか金曜は休みになる。
言わば中間試験のようなものだが、名前に昇段とついているのが曲者。
合格が前提に作られているが、一科目でも落とすと昇段できないのだ。
そして今学期の後半また同じ教科書を最初から勉強し直しということになる。
下の段の子が上がってくるので、もし落伍したらクラスも変わってしまう。
落とせないとは思うののの、ここまで迫ってしまっては勉強のしようもない。
しかも今日の科目は聴き取りと泛読なので復習のしようもなかった。
だからみんな一緒だろうと自分に言い聞かせ、八時の聴き取り試験に参加。
解答用紙が二枚あって、どっちが先だろうと考えているうちに第一問が終わってしまった。
でも焦る暇はないので第二問から復帰。ともあれ六割さえ取れれば昇段はできる!
ところが杞憂だった。問題文は二度ならず三度も流されたのだ。安心そして退屈。
長い昼休みを挟んで泛読。一見したところ全て選択問題のようだ。
制限時間は一時半から三時までとなっていたが、途中退室は許されるらしい。
お言葉に甘え、二時ちょっと前に提出して席を離れた。背後に歎声を聞きながら。
考えて解る問題は最初から解けるし、考えて解らない問題に時間を割くのは無駄だ。
ただそう思って出てきたのだが、相当でかい態度だと思われてるだろうな。

ドイツ留学中の友達からの手紙。よく届いたもんだ。

ここには日曜でも郵便物が届くらしい。しかし一日一便らしく、夕方にしか来ない。
更に部屋番号まで書いてあっても建物の出入口までしか届かないので厄介である。
手紙をくれる人も結構いるので、私は決まって五時半頃に出入口を覗くことにしている。
今日も一通あった。しかも差出人の住所が漢字で書かれていない、ということは…..?
ドイツの住所を控え忘れてしまって私からは連絡していなかった子が思い出してくれたのだ。
私が彼女に住所を教えたのはまだ日本にいるうちだったので、部屋番号など書かれていない。
それでも学校から寮までは届くのだから感心したものである。郵便屋さんも慣れたのかしらん?
旅先の様子だという絵はがきの写真を眺めながら返事を書く。
書き終わったはいいものの、ドイツまで封書はいくらするんだろう?
日本までが五元四角なのは覚えているが、流石に欧州までとなると判らない。
確か航空便は遠くなると高くなるはずだったが…..郵便局に行くしかないか。
歩いて二十分もかかり更に局員がすばらしく訛っているあの局に。

朝っぱらから「互相学習」。でも楽しかったので満足。

今日は朝八時から本学の子が来てくれる約束である。とりあえず起床は六時。
平日なみに朝の時間を過したつもりが、ゴミ出しをしていて少し遅れてしまった。
果して彼女は時間どおりに来るくちだろうか、それとも無頓着な方だろうか。
こんな時ばかりは相手にもルーズでいてほしいと思ってしまう私。ともあれ門へ急ぐ。
まだ会客室の電気もついていないというのに、彼女は既に来て待っていた。
弁解しつつ謝ると、苦笑どころでなくきゃははと笑われた。珍しく思われたらしい。
ともあれ管理人に電気をつけてもらい、本日の学習開始。まずは彼女から。
基本名詞を覚えるためのものらしいプリントで、読み方の復習をしたいという。
日本間・洋間それぞれに家具も描き込まれており、覚える単語の量が多くて大変そうだ。
「和室」には炬燵や座布団、はては火鉢やら掛軸までの家具類があり、障子も床の間もある。
「洋室」にはテレビからエアコンまで外来語がにぎやかに盛り込まれていた。
いくら何でも火鉢なんて一般家庭には最早ないと思うのだが…..。
私の番になったので口語の教科書を出し、対話課題の練習相手になってもらった。
歳が近いせいかどうも進めるうちに話題がそれて横道に行ってしまう。
それが楽しくもあり、また生の口語に触れるいい機会でもある。でも問題が…..。
日本には普通にあっても中国にはないもの=「ですます調」のような丁寧語。
中国にはあっても日本ではまず見掛けないもの=バスの讐票員(車内で切符を売る人)。
中国のスーパーにしか多分ないもの=荷物の預かり所。やはり万引防止のためらしい。
そんな話から何故か生活費の話まで、よくもまぁ私の語彙でついていけたと思う。
残念ながら来週は出かける用事があるので一回しか来てもらえない。しかも水曜。
元々の約束が火曜と土曜なのに大丈夫かと聞いたら、水曜ならとあっさり承諾してくれた。
ここまでさくっとした人柄も余り見掛けないような気がする。

旅行社を訪ねる。騙したのは誰だ!

来週テストの打ち上げに杭州旅行をするため、切符の手配をする段になった。
『地球の歩き方』によると、北京西路の国際旅行社に行くと日本語が通じるとある。
また、切符の手配もやっていると確かに書いてあったので疑いもなく師匠と出かける。
と、日本語のできる人に会えたはいいが「切符はここではとれない、金陵東路に行ってくれ」と言う。
ふに落ちないながらも言われた通りまた行ってみると、今度は「切符は四日後までのものしか売れない」。
すなわち来週また出直せという。売っていないものは仕方がないので引き下がった。
本には一週間前から予約できると書いてあるからわざわざ来ているというのに!
何もせず帰るのも癪なので、師匠につきあってもらって母のお使いをすることにした。
漢方の外用薬を友達に頼まれているので買っておいてほしい、というものだ。
南京東路に医薬の百貨店を名乗る所があるので訪ねてみると一発で買えた。
そして引き返す途中ふと道の対岸を見ると、ここにも国際旅行社がある。
しかも切符を扱っていると看板あるので、だめもとで入ってみた。
聞いてみると、切符だけでは売れないが宿の予約と一緒になら受けつけるという。
何とも理不尽な話だが、二度手間になるよりはましなので両方やってもらった。
そして、この一件のオチ。受け取りは北京西路の店で、だそうな。何てこった。
じゃあ最初の相手に粘って同じ条件を出せば交通費を無駄にすることはなかったのか?!
これって中国人にしてやられたんだろうか。本に騙されたんだろうか。

ぼちぼち発表される昇段試験の日程。生殺し。

昨日のテスト疲れのせいか、今日の朝イチは学生が少なかった。
先生も試験監督だったのか妙に同情してくれて、授業の開始を遅らせたほどである。
が、癪に障ることに、昨日の「総合考試」とやらは成績に全く関係ないらしい。
「単なる学力水準の参考」にするだけなんだったら本試験のあとにしてくれっちゅうに(怒)!
やっと教室の席が半分ぐらい埋まったところで、先生がおもむろに来週の予告。
泛読の試験は月曜の午後一時半からで、内容は半分が授業と一緒で半分が新しいもので…..。
木曜の授業はなくなる、ということだった。何だか楽そうで、それはそれでいい。
次の時間には、精読の試験が木曜の朝八時半からだということを聞いた。
また出題の内容から傾向までご丁寧に解説してくれたのだが、ありがたくない。
選択式のが多いってことは、つまり特に勉強の必要がない訳であって、嬉しくない。
何故ならこの本試験は「昇段試験」であって、落伍者をふるい落すためにあるのだ。
見るからにやる気のない連中にはいっそ出ていって欲しいので難しい問題も必要だったりする。
午後にはまた聴き取り試験が月曜の朝八時からで内容は本とは違って…..の解説。
余りにばらばらだらだら説明されるとだるくなってしまう。
何でまとめた日程表を配るって頭がないんだ?中国人。

ほとんど抜き打ちで「総合考試」。これってHSKまんまやん!

今日テストがあるらしいということは、先週末の掲示で知った。
但しそこにあった情報は「必須参加朝八時半から第二教学楼にて」のみ。
会場の教室やら席次やらは月曜の授業中に受験票を渡されて下見の余裕もない。
先生も「今更あがいたって意味ないよ」としか云ってくれなかった。
テストが何時までなのか、午後の授業はどうなるのかも知らないまま当日を迎える。
八時ちょっと過ぎに受験票の場所へと移動。見慣れない顔ぶれが多い。
どうやら私のクラスと隣のクラスがごっちゃになって受験するらしい。
そして各人の机の上には怪しげな音のする黄色いヘッドホンが置かれていた。
手にとって見ると、FM某と表示されている。朝っぱらからこんなもん放送するのか?
さながら小学校の運動会BGMのような曲が流れてくるのだ。これは一体…..。
しかも気に入ったのか隣の席のフランス人が適当に歌いながら踊り始めた!
流石に試験監督のお姉ちゃんが踊りは止めたが、音楽は鳴り続けている。
それが忽然と止んだかと思うと、「総合考試へようこそ!」のメッセージが聞こえてきた。
問題数やらマークシートの使い方やらの聞くまでもない説明がとうとうと流れる。
しかも男声と女声の二度、全く同じ説明が…..これってHSKまんまやんけ。
さらにまんまだったことには、説明が切れた途端に聞き取り問題が始まっていた。
そういやそうだったと気づいた頃には既に第三問。むざむざ六点は無駄にしたな、私。
幸い残りの問題が適当に判ったので惨事には到らなかっただろうと思うが、
HSK受けたことない人は相当びびってるな、とほくそ笑んでしまえるのが経験者の強み。
鬱陶しいのは、各分野ごとに回答時間が固定されていることである。
語法の部分がさっさと終わっても読解に手をつけてはいけない規定なのだ。
焦る→時間が余る→眠くなる→次の問題、が三度も繰り返された。
だるだるで会場を後にした。はいいが、しっかり午後の授業はあるらしい。
ただでさえ眠いってのに口語の授業なんて、喋る気も起きやしないのに…..。

本学の子を相手に第一回「互相学習」。何だか話が違うぞ?!

二時半に本学の二人と待ち合わせだったので、十分頃に学院の門まで行ってみた。
すると何分か遅れたのはともかくとして現れた中国人が三人いる!一人は誰だ?
どこで勉強しようかと一人に聞くと、実はこれから授業があるので都合が悪いという。
何だか話が違う。一体どうなってるのかと思いきや、代わりの子を紹介するからと言われた。
問題の「三人目」は彼女たちが私に引き合わせようと連れてきた後輩だという。
二人はその子の名前を教えるや否や、すぐ授業なのかそそくさと帰ってしまった。
実は日本語のうまくないのが二人も来てどうしようと案じていたところなので一安心。
しかもよくしたことに、二人よりこっちの子の方がお友達になれそうなタイプの子だった。
一年生だというだけあって使える単語は少ないようだが、聴き取る力が優れている。
遠慮なく普通の速さで日本語を話しても彼女が既に習った単語ならば判るらしい。
まずは初対面だということで、軽く自己紹介と四方山話から始めた。
教科書の内容から話がいきなり漢詩に飛んだりしていたのだが、不思議と苦痛に感じない。
きっと気が合う相手なのだと(多分お互い)どこかで感じたのだろう。
将来は通訳になりたいという彼女の目はいい感じで好奇心に満ちている。
本学の学生だけあって利発さも十分。本当に敬意をも持って仲良くなれそうな気がする。
次回以降いつやろうかという話になって、彼女は週に一度か二度がいいと言う。
本来なら財経大学の子もいるし週に一度でいいかと思っていたのだが、
思いのほか彼女が気に入ったので(笑)火曜と土曜の二度にしようともちかけてみた。
火曜は午後から勉強で、土曜は朝から…..勉強、気が向かなければおでかけ(!)に決定。
今度の土曜が非常に楽しみだ。と思ったが、中国語で表現できなかった。

私って実は存在そのものがやばいのか?公安へ急行。

再発行の学生証をもらいがてら学生課で「Fビザをもらいそこねました」と言ってみた。
すると話した相手がパスポート紛失事件を知っている先生だったので妙に心配してくれて、
それじゃ今どうしているのか、大丈夫なのか、と聞いてくる。しかも深刻そうに。
手元の滞在ビザとやらも十九日まで有効なので私本人の方がむしろ呑気だったほどだ。
私はどうにかあと一回で滞在期限を延長できればいいかなと希望していたのだが、
先生は何かわちゃわちゃ云いながらも公安局外事科(ビザの発行元)に電話してくれた。
あいにく係がいないらしく電話がつながらないそうなので、その場は引きとって授業へ。
放課後にまた学生課を訪ねてみると、何だか解らないが話は既についたという。
でどうなったのかと聞いたら、紹介状を持ってすぐに公安へ行けとのお達し。
中国人は滅多に急ぐということをしないので、どうやら余程の事態らしい。
その紹介状とやらは他の先生が一筆したためて判を押してくれた。
何の変哲もない印刷物に私の名前と用件が少し書き込まれているだけの小さい紙だが、
大学名の判が押されているといわゆる黄門様の印籠ほどの御利益があるのだ。
これと写真と元々のビザ申請用紙を持って公安へ行けば何とかしてもらえるはずだという。
幸い必要なものは手元に揃っていたので、善は急げとばかり校門からタクシーを拾う。
高くついても便宜には代えられない。これが外国人の泣き所!
さて外事科のビザ申請受付で紹介状を出すと、何故か居留証窓口に回された。
こっちの人が電話の相手かしらと思って素直に従ったのだが、違っていたらしい。
おっちゃんは紹介状を見て暫く黙っていたが、ややあって何やら申請書類をくれた。
必要事項を記入したら、ここではなく一番端の窓口に行けという。
何でたらい回しにされるのか不可解でならなかったが、謎は行ってすぐ解けた。
端の窓口のおっちゃんは日本語が解るのだ。ちょっとだけ安心した。
臨時居留証を作っていいのかと聞かれたが、いいか悪いかの判断材料はない。
それで一月末までいられるのか尋ねたら、大丈夫との返事。云ったな?おっちゃん!
もし何処かで引っかかったらこいつのせいにしたる!←これは中国では常識らしい。
ともあれ一週間後と書かれた引換え券をもらい、悠々とバスで帰途に就いた。

天下に知られる景勝地「西湖」を歩いて縦断。ちょっとだらだら。

於:杭州→上海
二泊もしながら、杭州観光そのものに割いた時間はものの半日しかない。
しかもほぼ北端の霊隠寺からほぼ南端の六和塔まで内容はもりだくさんの予定。
バスを待つのも鬱陶しいので飯店からタクシーで霊隠寺に直行し、有名な磨崖仏だけ
鑑賞して寺そのものには入らず。せかせかと再び車を拾い、岳飛の廟へ。
週末のせいか寺といい廟といい人出がものすごく、歩いているだけで疲れる。
ことに岳廟の見せ場である「墓前に引き出された敵将の像」などは覗くのだけにも数分かかった。
そしてよく見ると銅像の一部がへこんでいる。傷みの激しい物にいたってはハンダで埋めてある!
どうやら観光客がひたすらなでるので摩滅してしまったらしい。「現行犯」を見る。
目的地のうち関心の高い物から二つを踏破してしまったので、漸く余裕が出る。
折角ここまで来て湖を鑑賞しないのも勿体無いからということで「蘇堤」を歩いて縦断することにした。
本当は遊覧船にでも乗って湖の中から見るのがいいらしいのだが、人いきれが厭なので回避。
中国での人ごみは何をなくすか分かったものではないので通行人の少ない堤を選んだ訳である。
詩人として有名な蘇東坡の指揮で作られたという堤は既に舗装されて久しいようだった。
だらだら四十分ほど写真を撮りながら歩き、南岸の近くにある「花港飯店」で昼食。
名物の東坡肉をつついて一服。これで食堂がもう少し空いていれば嬉しかったのだが。
午後は南側の観光地である六和塔とHuPao(虎が走るの意)泉を見学。
塔からの眺めは霧のせいもあって余り楽しめなかったが、空気がよくてほっとした。
そして泉は山を少し登ったところから湧いている。とても水がきれいで見ほれた。
中国人観光客はこぞって源泉の水を飲んでいたが、流石に飲む気にはなれなかった。
帰りの汽車でお手洗いが使えない心配があったからである。
シャングリラでの一服を経て杭州東駅、そして上海へ。現実に戻る時が来た。
夜景が多くなるにつれ、気が沈んでくる…..明日からまたいつものあれか。

近所の「インターネット屋」体験。ちょっと愕然とする。

昼下がり、今週の「互相学習」も終わり手持ちぶさたになったついで先日の店に行った。
割安感のある「国際網絡」とやらを三十分ほど試してみるつもりで店の人に声をかけてみた。
「上網?」と聞いてきたのでそうだと答えると、一台のデスクトップ機をあてがわれた。
現地製なのかキット制作なのか本体は得体が知れない。でもWIN98が入っていた。
傍らには33600bpsのモデムが無造作に置かれている。外付CD-ROMもあった。
見る間におっちゃんが勝手に接続する。とはいえ単なるダイヤルアップだったが。
一分ほど待って接続できたはいいが、検索エンジンが全てアメリカ版なのに参った。
中国版もいくつかあるのは知っていたので無理に探し出したが、役に立たない。
ものの見事デッドリンクだらけなのだ。何なのだこのつまらなさは!
現地のプロバイダぐらい探し出さないともとは採れないのだが、一時間で諦めた。
これじゃ部屋で高い接続料かかってでも日本経由で探した方が早い!