素敵な会食

日中はブックフェアの後、三鷹へ行ってお茶の商談をしてきた。
ついに雨が降り出したので駅コンビニで傘を購入。
次の約束は渋谷で夕食なのだが、時間が半端にあって少し困った。
宿に戻ってブックフェアの収穫物を置いてくるのも面倒だし、雨の中それほど歩きたくもない。
いっそ渋谷で降りて時間を潰すか、と思い立ったまではよかった。
会食場所の地図を自分で印刷して持っていたのだが、これが役に立たなかったのだ。
駅徒歩7分のはずの目的地を探すこと70分!
そもそも地図に歩道橋や地下道の記載がなかったため、最寄り出口を間違えたのが運の尽き。
苦労はしたが何とか場所は理解したので、いよいよ?駅前に戻って時間を潰すことにした。
最初はマンガ喫茶にでも入ってだらだらしておこうかと思っていたのだが、ふと献血ルームが視界に入ったのでそちらに変更。
無料で好きなだけ滞在できる清潔な空間!しかも精密な血液検査がついてくる!(本末転倒)
採血後、温かいお茶を飲みつつ、今朝もらってきたガイドブックを読んで休憩。
ほどよい時間になったので、お店にゆっくりと移動した。

お店の入口で出迎えてくれたのは、なんと店員さんではなく待ち合わせの相手。
雨だからとハンドタオルを貸してくれた。
しばらくしてもう一人の待ち合わせ相手も到着し、シェフに呼ばれて予約席へ。
三人とも、品数が少ないコースを注文した。
選択肢はメインの肉か魚、スープの温製か冷製、食後のコーヒーか紅茶か。
面白いほどばらばらになった。
最初に飲み物の注文を聞かれたが、献血直後なのでワインを断念。
私に合わせてくれたのか、二人も飲み物を注文しなかった。
前菜が出るより早く、歓談開始。
一人が英日と独日のフリーランス翻訳者、もう一人が翻訳会社でチェッカーをしている半分フリーランス翻訳者。
その二人が取引関係にあったりと、自己紹介からなかなか面白い展開に。
意外と仕事そのものの話はあまり出なかった。
むしろ、ついったー(の使い方)論の方に花が咲いていたのではと思う。
目にする誤訳や誤字が気になる「職業病」の話でひとしきり盛り上がった。
やっぱり自分だけではないのね、と嬉しい、と感じるのも奇妙なのだが。
三人で一致したのは、「ついったーって嬉しいよね」ということだった。
在宅翻訳者などは職場がないので孤独になりがちだが、ついったーという場のおかげで寂しくはない。
それに、特定の団体に所属する訳ではないので、堅苦しいこともない。
気に入った人のつぶやきを読んで、好きなように返答して、気が向いたものにだけ返事。
そういう行いが普通であり、失礼にならない気楽さ。
でも意外と前向きで志のある人が常連の仲間になっていく。
以前JTFのイベントで出会った人々(一名のみ例外)と比べ、より親近感がある。
お冷やだけで三人がほろ酔い同然の上機嫌というすばらしい会だった。
料理については知識がないので記述できない(苦笑)が、どれもあっさりとして美味しかった。

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