早さと速さ

正味A4版30枚ほどの翻訳を中一日で終わらせた。
人様の処理速度は存じないが、早いほうではないかと思う。
よほどの事情でもない限り、指定納期ぎりぎりに納品したことはない。
理由はたいがいの場合において感謝されるから、の一言に尽きる。
そもそもの指定納期が短い案件も多い。
ここ一年は特に大量短納期のものが増えてきた気もする。


そうした時に問われるのは早さ。速さではない。
必要なのは求められた日時に間に合うことであって、処理速度とは違う。
処理速度が大きいほど早く結果を出せることも確かだが、それだけではないのだ。
一日のうち何時間を業務に充てられるか。
仕事が早いと言われる主な要因は、むしろこちらではないかと思う。
特に世話をすべき家族もいなければ、つきあうべき近所関係もない。
好きなだけ仕事をしていられる環境は、実は珍しいのではないか。
あるいは非現実的かもしれない。
分単位、時間単位での処理量が少なくとも、時間を多く取れれば早くはなる。
一方、仕事が速いと何ができるのかというと、自分の時間である(はずだ)。
空いた(稼ぎ出した)時間で好きなことができるはずなのだが、
どうもそこに仕事の続きを放り込んでしまう帰来がある。
かくして早く仕上がり納品した結果、目を疑うと言われると気分は複雑だ。

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