話が物理的に見えない恐怖

結構な規模の案件が重なってしまったため、先週は珍しく夜更かしをしていた。
何故か二件とも引き合いが夕食後。
最近は涼しくなってから散歩に出ているので、外出中の着電だった。
口頭で文字数と納期だけ言われ、内容も分からず諾否を返答するのは意外に難しい。
いかんせん時間が遅いので即答を求められる。


火曜に受けた案件は、電話口で提示された文字数が何倍も狂っていた。
届いた原稿のほうが少なかったので事なきを得たが、逆だったらと思うとぞっとする。
(そうなったら調整を申し出る他に解決のしようがないことは自明であるが)
電話の時点では、余裕はないがどうにか受けられる条件だと判断していたからだ。
相手の提示する条件が何倍も間違っているなどというリスクは想定のしようがないと思う。
敢えて対処するには、外出中に来た打診を全て保留するぐらいしか思いつかない。
一方で、そこまで相手を信頼しないのもいかがなものかと気がとがめたりもする。


ともあれ想定負荷が大幅に低減されたので、水曜に打診された他社案件も引き受けた。
担当者がかなり困っているようなので、貸しを作るぐらいの気持ちで受諾。
しかし蓋を開けてみるとこちらのほうが曲者で、用語のすり合わせやら分納やら指示が多い。
さらに用語の参照元は他の翻訳者の分納品とのことで、待ち時間まで発生した。
火曜の案件が手元にある状態だったので苛つかずに済んだのは幸い。


二件とも訳出が済んで落ち着いた今、こうして振り返っても、やはり電話は怖い。
無条件に苦手だということもあるが、記録が残らない怖さと話が整理できない忙しさ。
「肝心なことはメールで!」と強く主張していくべきだろうか。

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