月餅には桂花醤、梘水といった見聞きしたことのない素材が使われている。
桂花醤は金木犀の花のシロップ漬け。
こちらはすんなり輸入に成功した。
残るは年明けに調査だけしていた「碱水ではない梘水」である。
「炭酸カリウム15%:炭酸ナトリウム5%:水80%」
重曹かと思いきや、重曹は炭酸水素ナトリウムである。
炭酸水素ナトリウムは水で溶いて60度以上で加熱すれば、…とも言えるが迂遠だ。
まして、それより多く必要らしい炭酸カリウムのほうが見あたらない。
たいてい25kg入り、最小で500g入りというとんでもない量でしか通販もないのだ。
食品工業向けの添加物であって、個人向けの製菓材料ではないらしい。
ようやく100g入りのものを見つけたと思ったら、「水草用」だった。
観賞魚用品としての水質改良材。
それを料理に使って人間が口にするのは抵抗がある。
せめて現物を見ないことには安心できないと思い、心当たりを何件か歩いた。
しかし探しているときは見つからないものである。
諦めかけたところで、「粉末かんすい」30g入りを見つけることができたので入手。
炭酸ナトリウム57%、炭酸カリウム30%とある。
構成比が逆なのは致し方ないと見るべきか、これで試してみるべきか。
まだ「ふくらしこ」にも辿り着いていない。