特に好きな仕事

仕事を選べるご身分には早いと思いつつも、最近はお断りしてしまうことが多い。
無理をすれば引き受けることもできようが、それでいい仕事ができるか。
順当に考えて無理そうであれば断るのも責任のうち、と自分に言い聞かせている。
それでも引き受けてしまうのは、断り切れない案件と断りたくない案件。


多少の無理がかかっても引き受けたくなるのは、話題の技術に関係する文書。
なにぶん新しいので用語が辞書どころかネット検索でも見つからないことさえある。
そういうときの方法論が説明できれば教壇にも立てるのかもしれないが、…。
「見たものを見たまま訳す」作業と「ないものを作り出す」面白味が交錯するのだ。
前者だけでは手応えがないし、後者だけでは恐らく商品にならない。
(案件によっては前者だけのこともままあるが)
訳出を終えたとき/納品したときの達成感が好きという話もよく聞くが、それより強い。
「自分が訳すことで分かる人が増える」のは当然と言えるのかもしれないが。
それと同時に、技術分野の翻訳を扱っていなかったら出会わない妙味も感じる。
内容を言いふらすわけにもいかないし、誰と共有できる喜びでもなさそうだが。
個人競技ならではの愉悦といったところだろうか。
反面、こういう話題で「あるある」と盛り上がれる相手がいたら、とも思う。
目標未満の、やや遠い夢として。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です