ないない尽くし

仕事の依頼があっても全て断るつもりで商売道具を持たず出かけたのが運の尽き。
そういうときに限って、どうにも断れない案件がやってくるものだ。


・断れない。
何年も自分だけが担当しており、文体が客先に気に入られているのも分かっている。
まして事情あって立ち消えたはずのイベントが晴れて開催できたという慶事。
本来は定期案件のはずなのだが不定期になったのは致し方ない。
・休めない。
外出でだいぶ体力を消耗していたが、納期は待ってくれない。
そもそも普段なら数時間で片付くはずの量なので、半日だけ延ばしてもらった。
と思いきや、延長の兼ね合いもあってか追加も差し込まれる始末。
納品した時には日付が変わっていたのに、受領通知が来て冷や汗が出た。
・辞書がない。
幸い専門的な内容がない案件だったので、ネット辞書だけでどうにか事足りた。
・Windows環境がない。
持って出たのはAndroid1.6の端末のみで、Word文書の編集など望むべくもない。
家人のMacBookAirを借用できたので、ファイルの読み書きだけはできた。
英語キーボードもマウス代わりのトラックパッドも誤差の範疇。
全く慣れていないので七転八倒は当然ながら、苦にしている暇もない。
PagesなるMacソフトでWord文書を読み、同形式で保存も一応できた。
一抹の不安があったのでAndroidのWodToGoで確認してみると、不穏な文字列が。
やむなくテキスト形式に出力し直してその旨を申し送ることに。
担当者との関係ゆえに断れなかったわけだが、ゆえにできた仕事でもある。
そこまでして付き合ってもらえることに、まずは感謝。
翌日に追加された分は帰宅後いつもの環境で作業した。
色々と整理して振り返るいい機会なのかもしれない。

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