滅びたものを守る人々

旧国鉄倉吉線廃線跡を訪ねてきた。

日本一美しい廃線跡と呼ばれているという。
鬱蒼とした竹林に伸びる線路は確かに美しかった。
日差しによってはさらに神秘的な眺めにもなった。

線路内に2本、竹が伸びている。
言わば線路が使われていない証拠だ。
そもそも線路には砕石を厚く敷き詰める。
本来なら竹が育つ余地がない、との説明があった。

そこにあるのは、自然の美ではない。
線路はもちろん人工物だ。
竹林さえも純然たる自然物ではないらしい。
倉吉線が廃線になった当初は竹林ではなかったという。
廃線を撮りに訪れた人が発見した、偶然の産物。

そして、その美しさは、明らかに守られている。
ごみが全く落ちていない。
枯れた竹は伐採され、雑草は伸びていない。
鳥取県、倉吉市、観光協会が管理している由。
少し離れているが無料駐車場まで整備されている。
駐車場から竹林までは遊歩道がある。
生活道路にはみ出ないよう丁寧な案内があった。

鉄道としては役目を終えて、今は静かな観光地に。
新たに見いだされた価値を守り続ける人々がいる。
言葉にまとめられないが、考えさせられた。

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