受容、共感、自己同一性がカウンセリングの基本姿勢だという。
何か得るものがあればと思い手ほどきを受けてみた。
添削結果「あなたにはこの人の気持ちが分からないのか」
さながら現代文の記述問題だ。
「受容」は相手を否定せず受け入れること。
とりあえずでも頷ければいい。
「共感」の定義が思っていたものとだいぶ違った。
ほぼ相手の言葉を復唱するだけ。
お手本を見ても共感しているようには見て取れなかった。
「自己同一性」は自分の所感に素直になること。
相手の言動を受けて自分が覚えた共感も反感も受容したうえで、相手に向き合うこと。
以上が精神論。
メールでの場合を習ったので、方法論としては提案の列挙となる。
対面や電話などであれば相手の反応を見つつ組み立てるものを、一方的に並べるのだ。
その提案が「分かりやすい」のに「具体性を欠き相手の心に寄り添っていない」由。
講座そのものが書面での一方的なやりとりでよかった。
対面だったら感情的に異議をあげつらっていた恐れがある。
「自己同一性」で言うと、講師も「相手の心に寄り添っていない」。
畢竟、見ず知らずの相手に対する一方的な提案はそういうものなのだろう。
本業の関係者相手であれば目的を共有しているのでそこまでひどいことにはならない。
しかしカウンセリングに寄せられる相談内容は想像していたより多彩なようだ。
心理的な悩みばかりかと思っていたが、例題には結婚から就職まである。
他の要因のほうが強すぎて感情どころか客観的にもお門違いだ。
まして自己紹介すらほぼない相手に「プロ」なら最適解を出しうるものだろうか。
そのために信頼関係を醸成すべく「共感」を重視するのだそうだが。
会話すらなくたった一通のメールで。
解説文に「目の前の問題より相手そのものに向き合う」とあって妙に納得した。
自分はどちらかと言えば問題解決そのもののほうが得意なのだと。
手の内を明かさない相手そのものに向き合い一発で信頼を築くなど土台無理だ。
できる人も世の中にはいるのだろうが、自分はそうではない。
「自己同一性」が悲鳴を上げる。
とは言え最終回まで受講した参加賞なのか心理カウンセラー認定3級はもらえた。
少しでも知っている、ないし理解できる人からの相談には使えるかもしれない。