於:上海→西安
桂林に行こうか西安にしようか迷っていたという経緯があって、桂林へは行った。
すなわち、西安に行く番である(笑)。午前中に飛行機が予約できれば行こうということに。
一口で予約といってもそう楽ではない。人民元を手に入れて代理店に駆け込まねばならないのだ。
更に前回の窓口では上海航空の券を扱っていなかったので市街まで出て買う羽目に。
それでも何とか間に合って、上海を飛び立ってしまった。なんてことだ(笑)。
とはいえ午後の便では到着が三時を過ぎてしまうので観光にでむく暇はない。
西安は見るところが散在しているので旧城内だけに限っても回れる勝算はなかった。
開き直るだだっ広さを逆手にとってタクシーで移動しつつ見えるだけ見てしまえ!
西安空港があるのは実は隣の咸陽市なので、咸陽市街経由で西安を外から見ることにした。
家並は民家どころか工場までがほとんど煉瓦づくり。砂か埃かをかぶっていて少し白く見える。
最初は「シルクロードって感じだねぇ」と喜んでみていたが、飽きるほどみんな煉瓦ばかり。
白茶けた建物が斜陽を浴びる姿は何となく哀愁をそそるが、ところどころ政府スローガンが書かれている。
遠目にいくつか古墳が見えなかったらまぁ刺激のない風景だったことだろう。
それよりタクシーの運ちゃんが自分を売込むのにやかましく、呆れるやら笑えるやら。
BP機(ポケットベル)を持っているというので、一応その番号を教えてもらうことにした。
視界いっぱいに広がる城壁を見つつ、余り大きくない城門から西安市内へ入る。
省都というだけあって都会っぽいが、一つ一つの建物がばかでかかった。
古典建築を再現したような形の行政機関やら、バスの十台もとまれそうな広場から。
間の路地には市場もあるが、これとて上海の農貿市場なんかと較べ数倍はある。
軽工業品、副食品、生活雑貨と扱う品揃えも場所によってまちまちらしい。
宿に着いてすぐ部屋に入り一服。明日の予定を簡単に話し合い、夕飯時になる。
おいしい餃子屋が市内に二軒あるらしいのだが、どちらも宿からは余り近くない。
ドア付近のおにいちゃんにおすすめの方を教えてもらって辺りを眺めつつ歩くことに。
日が落ちたせいか市場の人々は店じまいをはじめている。友諠商店のネオンがうるさい。
ふかしながら売っている包子類の蒸気に誘惑を覚えつつ寒い夕暮の街を歩く。
目的地が見当らないので軽食屋のおっちゃんに聞くと、何も買わないのに親切に教えてくれた。
かれこれ二十分は歩いただろうか。明代っぽいご立派な建物に捜索中の名を発見。
一階は普通の中国人席なので餃子コースを希望なら上へ、と二階へ通される。
他の街では二階席というとだいたい外国人だらけなのだが、ここは中国人が多かった。
楊琴やら古筝なんかの生演奏をやっていて、なかなか雰囲気がいい。
「餃子十八道」なる文字に惹かれ、一人八十元のコースを注文。ビールと菊花茶もとった。
一種類ひとつずつ小さい餃子が現れる。紹介は日本語だが、時々わけのわからない音が入る。
我々の卓が担当のおねえちゃんは日本語のできる人ではないらしい。
これだけ小さいのだけだったら余裕!と思いきや、何故か最後だけ大皿いっぱい。
「翡翠餃子」とか聞いた気がする。生地に法蓮草か何かの葉が練り込まれているらしい。
二つか三つ食べたところで満腹になってしまった。これ食べきれる人おるんやろか。
車を拾い、西門を往復して市街地の夜景を眺める。鐘楼が下から照らされていて壮観だった。
観光できる時間はあいにく過ぎていたので、車窓から眺めるだけでおとなしく帰る。
そして示し合せた通り車とモーニングコールを予約。あとは寝るのが仕事!