好きな歌の一節に「大切なものには理由などいらない」というのがある。
最近になって何故かその意味が分かるようになってきた。
理性による判断を超越したところに、「好き、嫌い、大切、要らない」があるのだろう。
自分に自信がないあまり、好意的に接してくれる人の気持ちが分からなくて聞いてしまうことがある。
どうして気に入ってくれているのか、どうして高く評価してくれるのか。
後者の場合は割と具体的な回答をもらえるが、前者となるとそうもいかないことが多い。
「だって、好きなものは好きでしょ。それ以上は細分化できないし、する気もない」
その人自身が、分析を放棄している状態の場合。
感情か本能か分からないが、理屈ではなく答えが出ていることもあるのだということ。
答えが出ていない人は、分析につきあってくれる。
一つずつ丁寧に、こちらの長所を説明してくれたりもする。
それでも自覚していなかったことを指摘されると、反射的に否定したくなってしまうのではあるが。
好きだから、と答えられてしまうと、こちらも思考停止せざるを得ない。
なにがしかの思考過程や経験の整理を経て出た答えかもしれないし、単なる直感かもしれない。
いずれにしても、好き嫌いはまず動かない結論に昇華してしまっていると思う。
はて、自分の好きの持って行き場はどうしたものか。